神社

石上神宮|古代より信仰されたパワーみなぎる神社

今回は奈良県天理市にある、知る人ぞ知る古来よりパワーあふれる神宮、石上神宮に行ってきました!

石上神宮 基本情報

石上神宮(いそのかみじんぐう)

所在地:〒632-0014 天理市布留町384

アクセス:近鉄「天理」駅下車 徒歩30分(タクシー10分程度)
または、天理市コミュニティバス「いちょう号」(東部線)下山田系統
「石上神宮前」バス停下車、徒歩10分

メモ:「古事記」や「日本書紀」にも登場する日本最古の神宮で、古来「神宮」と名の付く神社はここ石上神宮・鹿島神宮・香取神宮の3つだけだった。

石上神宮 駐車場情報

石上神宮には無料の駐車場があります。
第1駐車場~第4駐車場があり、合計で200台ほど停めることができます。
お正月などの込み合う期間でなければ問題なく駐車できます。


(※2021年現在は第一駐車場は工事の為、使用できません)

御祭神

石上神宮は、古代のヤマト朝廷で軍事を担っていた大豪族、物部氏の武器庫・宝物庫でもありました。
そんなわけで、御祭神も剣や、宝にまつわるものとなっています。

御祭神

布都御魂大神(ふつみたまのおおかみ)

布都御魂大神 は神剣に宿る神様のことです。
名前の「ふつ」とは物を断ち切る音を表していると云われます。(オノマトペの感覚に近いのかなと思ったり)

布都御魂は、神話の中で神武天皇がピンチの時に天から授かり、剣のもつ起死回生の力によって神武天皇の一行は蘇ることができた。という伝説のある剣です。

布留御魂大神(ふるみたまのおおかみ)

神宝である「天璽十種瑞宝(あまつしるしとくさのみづのたから)」に宿る神様のことです。

神宝の名前が・・・名前が・・・漢字が難しすぎる上に読めない!?と感じるあなたへ朗報です。笑
「天璽十種瑞宝」は「十種神宝(とくさのかんだから)」ともよばれています。
「十種神宝」なら少し馴染みやすいですよね。

「十種神宝」 は、饒速日命(にぎはやひのみこと)が、天より地上に降りる際に、天津神(天の神様)から授かったもの。とされています。
十種神宝に「布瑠の言(ふるのこと)」を唱え、ゆらゆらと振ることで、死者すら蘇生する霊力を宿していると伝わっていました。( ちなみに十種神宝は現存はしていないそうです)

この「布瑠の言(ふるのこと)」漫画「呪術廻戦」のストーリー内で式神を調伏させるための言葉「布瑠部由良由良(ふるべゆらゆら)」の元ネタですね!
(一昔前なら「孔雀王」という漫画にも使われていました)

いかにも古代呪術。といった趣が漫画の題材に選ばれるのでしょうか。

「もし痛むところあれば、この十種神宝を、一二三四五六七八九十(ひとふたみよいつむゆななやここのたりや)と言って振りなさい。ゆらゆらと振りなさい。そうすれば死(まか)りし人も生き反(かえ)らん」石上神宮ホームページより

布都斯魂大神(ふつしみたまのおおおかみ)

こちらは、 布都御魂大神 と同じく、神剣に宿る神様のことです。

布都斯魂は、日本神話の中でスサノオノミコトがヤマタノオロチを退治する時に使った
天十握剣(あめのとつかのつるぎ)のことです。

他の2柱に比べると、ヤマタノオロチのお話は有名なのでとっつきやすいかもしれません。

ちなみに、剣つながりのお話をすると、
このとき退治されたヤマタノオロチの尻尾から出てきたと言われる剣が

「天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)」(別名「草薙剣」)とされ三種神器の1つです。

摂社・末社

摂社 出雲建雄神社(いずもたけおじんじゃ)

御祭神・・・雲建雄神(いずもたけおのかみ)

雲建雄神は、熱田神宮に奉納されている皇室の三種の神器の1つ
「草薙剣(くさなぎのつるぎ)」の荒魂(あらみたま)です。

こちらの、摂社は拝殿に入る入り口の向かい側。階段を昇った先にあります。
どうしてこんな高い位置にわざわざお祀りしてあるんだろう。と不思議に思っていましたが、
御祭神が「草薙剣」ということでちょっと納得。


石上神宮の御祭神である 「布都御魂の剣」よりも、皇室の三種の神器である「草薙剣」のほうが
格が上ですよ~~。という意味なんでしょうね。

出雲建雄神社 の真向かいにある摂社拝殿(国宝)
1137年に内山永久寺にて造営され、大正時代に出雲建雄神社の拝殿としてこちらに移設されました。
やはり、 出雲建雄神社 は特別待遇ですね。

末社 猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)

御祭神・・・猿田彦大神、住吉大神、高靇神

末社で、こじんまりしていますが、檜皮葺の屋根がとても美しくてこちらの神社に惹かれます。
よくよく見たら、私の好きな神社によくいらっしゃる高龗神が祀られていました。
ますます、好きになりますね笑

摂社 天神社(てんじんじゃ)/ 七座社(ななざしゃ)

「天神社」屋根には皇室の家紋が。

御祭神・・・高皇産霊神(たかみむすびのかみ)・神皇産霊神(かみむすびのかみ)

天神社とありますが、菅原道真公とは関係がなく、日本神話において高天の原(たかまのはら)に最初に成り出た神様のうちの2柱です。

七座社

生産霊神(いくむすびのかみ)・足産霊神(たるむすびのかみ)・魂留産霊神(たまつめむすびのかみ)・大宮能売神(おおみやのめのかみ)・御膳都神(みけつかみ)・辞代主神(ことしろぬしのかみ)・大直日神(おおなおびのかみ)

両社の九座は、 生命を守護して下さる宮中八神に、 禍(わざわい)や穢(けがれ)を改め直して下さる大直日神を併せてお祀りしたもので、 当神宮の鎮魂祭(ちんこんさい)と深い関係があり、 上古から御鎮座になっていると伝えられています。 石上神宮ホームページより

宮中八神・・・天皇の身を守護するため宮中に祀られる8柱の神々。

神社のいわれ あれこれ

石上神宮は、日本最古の神社のうちのひとつとされる神社です。

今から約1700年(!?)ほど前、第十代崇神天皇の御代に、それまで天皇の住む宮中にあった神剣を
この地に奉仕したのが石上神宮のはじまりといわれています。

言い伝えでは

天照大神(天の最高神)は桧原神社に。
日本大国魂大神(大和の国の守り神)は大和神社に。
神剣(神様から授かったといわれる剣)は石上神宮に。

それぞれ奉仕されたといわれています。

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古代の時代において、「神宮」の名を冠していたのは伊勢神宮をのぞき、
この石上神宮と、鹿島神宮(茨城県)香取神宮(千葉県)の3社だけでした。ヤマト政権にとって特別な役割を持っていた神社だということが分かりますね。

拝殿の奥にある本殿は、意外にも大正時代に建てられたもの。

それまでは、剣先状の囲いに囲まれた「禁足地」をご神体として拝していました。


この「禁足地」は崇神天皇の時代(古墳時代!)に、宮中にあった神剣(フツノミタマ)地中深く鎮めて奉じた場所。と伝説で伝わっていました。
明治7年にこの「禁足地」が発掘調査された際には、伝説のとおり大剣勾玉が出土したというのだからすごいですよね。そして、その大剣こそが伝説のとおりのフツノミタマであるとして、お祀りするための本殿が建てられました。

禁足地は現在でも神聖な場所として立ち入り禁止です。
拝殿の裏手にあり遠目に覗いたりできるのですが、もうなんだかそこだけ雰囲気が違いすぎてとても写真など撮る気にはなれませんでした・・・

境内のニワトリさんたち

石上神宮の境内には、色んな種類のニワトリさんが放し飼いになっています。

今から40年ほど前に奉納されて以来、自然繁殖したり時々奉納されたりしているそう。
どの個体も立派で美しく、見ていて飽きません。
しかも人間慣れしているようで大人しく撮影にも応じてくれます笑。

授与所ではニワトリをかたどった入れ物の中に「おみくじ」が入った「ご神鶏(しんけい)みくじ」も売られています。とってもカワイイ!

ニワトリは、夜明けに鳴いて時を告げる事から、昔の人々は神聖視したとされ、日本神話の中でも、天の岩戸に閉じこもってしまった天照大神を岩戸から呼びだすのにも一役かっています。

(神話の中では「常世長鳴鳥(とこよのながなきどり)」というとっても神々しいお名前で登場されます)

七支刀などの宝物

石上神宮の宝物庫にはたくさんの神宝が保管されていました。
軍事を担っていた石上神宮には、ヤマト朝廷に降伏させた豪族の宝物を集めて納めていたとされます。
中でも「七支刀(しちしとう・ななつさやのたち)」は国宝に指定されています。

七枝刀とは➡️石上神宮に伝わる古代の剣で、左右に6本の枝刃があるのが特長です。百済の国から古代日本に献上されたもの。

剣としては奇異な形をしていて、祭祀用だったと考えられています。

刀身には、銘文が彫られており、現在でも解読が進められている途中です。日本では数少ない4世紀ごろの遺物として、大変貴重な資料でもあるんですね。

石上神宮のパンフレットより

ちなみに、漫画「鬼滅の刃」にこの七支刀そっくりの刀を使って、主人公のお父さんが舞いを舞ったり、こんな枝分かれした刃を使う上弦の鬼が登場したりします。

石上神宮は人気漫画の元ネタの宝庫ですね!

ご朱印にも七支刀が!

これらの品物はその他の社宝とともに、宝物収蔵庫に保管されています。(ふだんは非公開)

今回のまとめ

石上神宮は最古の神社に相応しい歴史とパワーに満ちた場所でした。

御祭神の神剣にあやかって、人生を切り開いたり、自分自身を高めたりしようと思った時に訪れるとよいそうです。