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室生龍穴神社|アクセスは不便でも訪れたい!龍神様を祀る神秘的な神社

今回は、山あいの緑にかこまれた水の神様をお祀りする神社「室生龍穴神社」に参拝してきました。

室生龍穴神社 基本情報

室生龍穴神社(むろうりゅうけつじんじゃ)

所在地:奈良県宇陀市室生1297

アクセス:近鉄大阪線「室生口大野」下車タクシーなどで10分。(バスもありますが本数が少ないので注意)
車をお勧めしますが、最近はバスツアーなどもあるようです。


駐車場:神社の駐車場はありません

メモ:奈良~平安時代にかけて請雨祭祀が行われてきた、恵みの雨をもたらす龍神様をお祀りする神社。

室生龍穴神社 駐車場情報

室生龍穴神社には駐車場はありませんが、すぐ近くに公衆トイレがあり、その前の道路が広いのでそこに縦列駐車をする形となります。

気候のいい時期にはバイクで参拝する人の姿もみることができます。

御祭神

こちらの神社では恵みの雨をつかさどる神様をお祀りしています。

御祭神

高龗神(たかおかみのかみ)

高龗神の「高(たか)」は山峰を意味し、「龗(おかみ)」は水をつかさどる蛇体の神のことです。
すなわち、「高龗神」は山の峰の龍神。

(おなじ龍神でも「闇龗神(くらおかみのかみ)」は谷底(谷間の水)に棲まれる神となります。)


古事記の伝承では、この大神は伊弉諾尊(イザナギノミコト)が火の神かぐつち神を斬った時に生まれた神とされます。

また、「龗」の文字そのものが、「雨」に「口」に「龍」と書き、龍神に雨乞いをする人の姿を現しているともいわれます。

善女龍王(ぜんにょりゅうおう)

公式に記載されている御祭神は「高龗神」ですが、拝殿には「善女龍王社」とあります。

善女龍王は、雨を降らせる力のある龍王のうちの一人。善女龍王を詳しく解説したものはありませんが、この神様は、弘法大師の逸話が有名です。

824年時の帝、淳和天皇は長引く干ばつに対して興福寺の守敏と東寺の空海に対して祈雨の修法を命じた。守敏が7日間にわたって修法を行うも効果少なく、次に空海が当時大内裏に南接していた神泉苑にて修法を行うが1滴の降雨もない。調べると空海の名声を妬む守敏により国中の龍神が瓶に閉じ込められていた。しかしただ1体、善女龍王だけは守敏の手から逃れていたので天竺(インド)から呼び寄せて国中に大雨を降らせたという。(Wikipediaより)

善女龍王は龍そのものでなはく、こちらは龍を統べる女神です。が、高龗神にしても、善女龍王にしてもどちらも請雨の神様です。

神社あれこれ

室生龍穴神社は古い歴史をもつ古社。御祭神が高龗神や善女龍王ということで、国家の晴雨をコントロールして五穀の豊穣を守る役割を担ってきました。
奈良時代~平安時代にかけて朝廷より使者が遣わされたびたび請雨祭祀が行われたといいます。


神社より1キロほど室生川を下った先に室生寺がありますが、室生龍穴神社の方が歴史は古く、昔は鎮守社と神宮寺の関係にあったとされます。(龍王寺と呼ばれていたとされます)

神宮寺とは、日本の神仏習合の思想によって神社に付属して建てられたお寺の事です。

また、770年~780年に皇太子だった桓武天皇の病気平癒祈願が成就した。との記録も残ります。
室生寺も桓武天皇の勅願で建てられたお寺なので、やはり室生龍穴神社と室生寺は縁が深いですね。

ちなみに神社の拝殿の奥にある本殿は、県指定文化財にもなっています。
朱塗りの建物が美しく鮮やかで目を引きます。

奥宮(吉祥龍穴)

この神社から400メートルほど東にむかい、そこから山道に入って20~30分ほど山道を登った場所に奥宮があります。かなり古くから信仰されており、雨乞いなどの神事が脈々と受け継がれ行われてきました。
こちらはパワースポットとして有名な場所で、拝遥所から対岸にポッカリと空いた穴を拝む形で参拝します。


吉祥龍穴とも呼ばれているその場所は、龍の住むと伝えられる穴、まさしく龍穴です。
神聖な場所であるため、拝所は土足厳禁。スリッパに履き替えて参拝します。


近づくだけで空気が変わるのが分かるほど、とても神聖な気持ちにさせてくれる場所です。
写真を取るのを躊躇うほど。(なので写真はありません笑)

素晴らしい場所なのですが、2021年の7月に土砂崩れがあった為、現在そこへの道は通行止めとなっています。2021年10月現在はまだ復旧しておらず、奥宮には参拝できませんので注意してください。

杉の木

室生龍穴神社の境内には、樹齢数百年と思われる立派な杉の木がたくさん生えています。

神社の入り口の鳥居の前で人々を迎え入れてくれる二本の杉の大木

連理の杉

神社の鳥居をくぐってすぐ右には「連理の杉」または「夫婦杉」と呼ばれる根元でつながった杉が生えています。

男女の仲がむつまじいことの例えとして「比翼の鳥・連理の枝」または「比翼連理」という言葉があります。
その言葉のとおり、こちらの杉は夫婦和合・家庭円満の神様として信仰されています。

而二不二(ににふに)の神杉

こちらの杉の大木は、室生龍穴神社のすぐ脇に生えています。
T字路の突き当りにあるのでぱっと目をひくこの杉の木。
樹齢1000年ともいわれるこの杉は、先が二股に分かれていて「 而二不二の神杉」と呼ばれます。

「 而二不二」は「ににふに」と読み(私も読めなくて調べました・・・)

「二つであって、二つでない」という意味です。
・・・ん?何を言っているのかヨクワカラナイデス。となりそうですが笑
この言葉は仏教用語。

「而二(ふに)」とは、1つの事を二つの面から見る事。
「 不二(ふに)」とは、2つの面があっても、その本質は一つである。
という事。
要するに、善も悪も、光も闇も、陰も陽も、相反するようであるけれど、お互いがいないと成立しませんよ
というような深いお言葉です。

この杉を見てそんな事に想いを馳せた昔の偉い人に合掌します。