お寺

長谷寺の歴史や十一面観音様のご紹介

奈良県桜井市を車で走っていると「長谷寺まであと〇キロ」なんていう看板をよく見ます。今回はそんな奈良県桜井市が誇る長谷寺をご紹介。

長谷寺は電車でも行けますが、山の中にあるお寺なので車で行った方が便利です。国道165号線を車で走り、桜井・榛原・宇陀方面へ向かうと大きく長谷寺と書かれた信号(西初瀬交差点)があります。それを左折すると長谷寺の門前町。少し狭い道の先には個人経営の駐車場がたくさんあります。(どこも500円程度)ただ、一番奥の長谷寺の駐車場がお寺から近いので、近くに車を停めたい場合は、長谷寺の駐車場までいきましょう。(ただし、お花や紅葉の季節は混みます)

受付を済ませて門をくぐると、長谷寺名物、登廊(重要文化財)があります。上中下に分かれた石段は全399段!登って本堂へ向かいます。この美しくもながーーーい登り廊下が本堂への緊張感と期待感を高めてくれます。(同時に足の疲労も高めてくれますが・・・)

※登る際は、長谷型と呼ばれる楕円形の吊り灯篭にも注目!!

明日使える!長谷寺のざっくり紹介

  • 真言宗豊山派(しんごんしゅうぶざんは)・・・長い名前!!の総本山。
  • 朱鳥元年(686年)道明上人が天武天皇の為に「銅板法華説相図」を安置したのがはじまり。
  • 長谷寺の建つ桜井市初瀬(はせ)は古くは「泊瀬(はつせ)」とも呼ばれた『別天地』で、古くから聖地として知られていた。
  • 『別天地』とは現に住む世間とは別の世界。俗世から離れた世界。という意味。 とにかくすごいパワーのある場所ということ。
  • 何と、西国三十三か所の発祥の地である。
  • そして全国にある長谷信仰の発信地でもあるという地味にすごいお寺。
  • 古くは「源氏物語」や「枕草子」「更級日記」などという日本史に残る文学書にバッチリ登場し、紀貫之や松尾芭蕉なんかも訪れた記録がある。
  • 昔から霊験あらたかな場所と人々に信仰されてきた証である。
  • 山の中腹に張り出して立つ本堂は国宝。現在の本堂は徳川家光の寄進で再建された。
  • 本堂からは清水寺のような堂々とした舞台が張り出していて、長谷寺の自然を堪能できる仕様になっている。
  • そして本堂舞台には、ご本尊である十一面観音さまの手とつながった御手綱が垂れ下がっている。
  • 黄色・緑・紫・白・赤のリボンのようなヒラヒラを見かけたら御手綱なの触ってみれば観音様の慈悲を分けてもらえるかもしれない。
  • ちなみに上記の五色は宇宙の五行を表している。(ラッキーカラーとかそういうのではない)
  • 毎年12月31日~1月3日に「観音万燈会」といって大みそかの夜に登廊から本堂まで灯篭に灯が灯される。
  • 2月14日世間がバレンタインで騒いでいる最中、長谷寺では「だだおし」というビッグイベントが行われる。ほら貝などが鳴り響く中、大たいまつを持った三匹の鬼が現れて本堂の周囲を走る。東大寺の「お水取り」と並ぶ奈良を代表する火祭りと言われる。

清水の舞台に負けない堂々とした舞台からは古代の聖地「初瀬」の谷が一望できる。

紅葉や桜の季節はとても綺麗。

本堂舞台からみた五重の塔

花の寺「長谷寺」

長谷寺では、季節の花や紅葉も有名で「花の寺」なんていう呼び名があるほどです。

(四月上旬~下旬)

石楠花(4月下旬~5月下旬)

牡丹(4月下旬~5月中旬)

紫陽花(6月中旬~7月頃)

紅葉(10月下旬~12月上旬)

と春夏秋冬様々なお花が楽しめます。中でも6月中旬~から咲き始める紫陽花は必見!!

境内に至る道すがらからお花が楽しめます。

紫陽花のよい所は、晴れていても雨でも、どちらも美しいということ!
梅雨の雨ににしっとりと濡れた境内に咲き誇る紫陽花は何とも言えない趣があります。

本尊 十一面観音(重要文化財)のあれこれ

2016年度の特別拝観のチラシが素敵
  • 長谷寺のご本尊「十一面観世音菩薩立像」。その名の通り立っている観音様。
  • 現存の木造の仏像としては日本最大!何と高さ10メートル以上もある。
  • 一度焼失しており、現在の本尊は1538年(室町時代)に再興されたもの。
  • 全国に拡がる長谷式十一面観音の原型。
  • 右手に錫杖(しゃくじょう)・・・杖のようなもの・・・を持つのが最大の特徴。
  • 見慣れた人には違和感を感じないが、実は錫杖を持つ十一面観音は長谷寺の特有のもの。
  • 観音様と地蔵さまが合体した姿とも言われているが定説はない。
  • 普段は本堂の内陣から遠目で拝観するが、春と秋の特別開帳時には観音様の足元まで大接近できる。
  • 足元から仰ぎ見る10メートル超えの観音様は圧巻の一言。こんなに迫力のある観音様を私は知らない・・・。
  • しかも、観音様のおみ足に触れて縁まで結べてしまう。
  • こんな事が許される特別開帳には是非とも訪れてほしい。
  • そんなわけで観音様の足は参拝者が長年触れたせいで黒光りしている。(これも多くの人に信仰された証である。)

長谷寺DETA:桜井市初瀬731-1

近鉄「長谷寺」駅から徒歩20分(長谷寺に着いてからもかなり山を登る感覚なので足に自信のない方は車をお勧めします)

拝観料 大人500円 小学生250円(春・秋の本尊特別拝観は別途1000円)

入山時間 8時30分~17時(12月~2月は9時~16時30分)

駐車場 あり(有料)70台