お寺

いまこそ行きたい新薬師寺

奈良市内の主要観光地から少し離れた山の手の方。奈良教育大学の丁度裏手側にある「新薬師寺」。ここも奈良に来たらぜひとも訪れてほしい寺社のひとつです。

近鉄奈良駅からバスで5分ほど「破石町」から徒歩10分ほどで到着しますが、気候のよい時期ならば地図アプリ片手に奈良駅からウォーキングがてら散歩しながら向かうのもオススメです。

車で向かわれる方は途中の道が少し狭いのと、駐車場が狭いことに注意が必要です。

さて、「新」とつくのに、ぜんぜん古い歴史あるという「新薬師寺」。ご本尊が現世での病気などから救うと言われている「薬師如来様」なのでコロナ禍のこの時代、もっとも訪れたい寺院のひとつなのかもしれません。

明日から使える新薬師寺のふんわり解説

  • 天平19年(747年)大仏建立事業のさなか、体調を崩した聖武天皇の病気平癒の為に光明皇后が建てたお寺。
  • 天平19年っていつ位なのかよく分からんぞ。という方は平城京遷都してから約30年後くらいに建てられた。ぐらいの感覚でOK。
  • というわけで、どのへんが「新」なのか。と言いたくなるほど、めちゃめちゃ古い由緒あるお寺。
  • 同じく奈良県西ノ京にある「薬師寺」と区別する為にこの名前にしたという説がある。(薬師寺の建立が680年代なことを考えれば確かに「新」かもしれない)
  • 入り口をくぐればすぐに見える美しい本堂は、創建当時のままの遺構で国宝に指定されている。
  • 1000年以上も同じ場所に建っている建物を見る機会はそうそうないのでじっくり眺めて、「スッっと降りてきた屋根が両端に向かって緩やかに伸びている優しい曲線と少し反った両端が・・・」などと天平建築の美を感じるのも楽しい。
  • ちなみに屋根に乗っている鬼瓦は日本最古のもの。
  • 病を救う。という事でもちろんご本尊はもちろん薬師如来様(国宝)
  • 本堂は、国宝の建物に国宝の仏様という、外から見ても内から見ても、見ごたえ十分となっている。
  • 半目の多い如来像の中にあって、新薬師寺の如来様は目がパッチリ開いている。これは、聖武天皇の眼病平癒を願ったためと言われている。
  • 手には薬師如来の象徴、薬壺をもっている。
  • 薬師如来が薬壺を手に持つようになったのは奈良時代後半からなので、薬壺の草分け的存在なのかもしれない。
  • その薬師如来様をぐるっと円形に囲んで守護(ガード)している十二神将像は仏像ファンの間でとても人気が高い。

みんな大好き十二神将

  • ご本尊の薬師如来様を囲むように円形に配されている十二体の仏像が十二神将。
  • 甲冑と武器で身を固めた薬師如来の世界を守るガードマンのような存在。
  • 各神将がそれぞれ7000人の従者を従えているとされており、合計8万4千人の大軍勢で薬師如来様をガッチリとガードしている。
  • 各地でさまざまな十二神将が造られているが新薬師寺の十二神将は日本に現存する最古にして最大のもの。
  • 仏教では時計回りに拝観するのがマナーになっているので拝観のさいは因達羅(インダラ)大将から順にまわるとよい。
  • それぞれに持っている武器やポーズ、服装などが違うため、自分のお気に入り神将を探すのも楽しい。
  • また、それぞれに干支が振られており、自分の干支を探すのも楽しい。
  • 十二体のうち波夷羅(ハイラ)だけは昭和時代の補作なので国宝ではないが(悲)残りの十一体はすべて国宝。
  • ちなみに、十二神将には因達羅(インダラ)迷企羅(メイキラ)伐折羅(バザラ)など「読めないよっ!」と叫びたくなる難読漢字がついているが、サンスクリット語の名前に漢字を当てはめただけなので、漢字そのものに意味はない。
  • 仏像は塑造という粘土を盛り上げたり、削ったりして形作る技法でつくられている。材質が土なのできっと、とても重い。
  • 造仏当時は極彩色が表面に塗られていた。当時の彩色を再現した伐折羅(バザラ)大将再現した画像が本堂に飾られている。美しい天平文化を感じることができるので是非チェック。

新薬師寺:奈良市高畑1352

近鉄奈良駅からバスで焼く5分「破石町」下車。徒歩10分

拝観料:600円

拝観時間:9時~17時

駐車場:4台(無料