お寺

法隆寺 日本初の世界遺産をさっくり紹介

奈良県斑鳩にある法隆寺。教科書でおなじみのこのお寺。せっかく訪れるなら楽しく見たい!!というわけで知っておけば巡るのが楽しくなる情報を紹介していきます。

駅からは徒歩30分ほどと、「奈良あるある」の立地。車で行くのが便利な法隆寺。国道25号線ぞいにあり、西名阪自動車道「法隆寺IC」を車で降りてからもほとんど一本道。お寺に近づくと分かりやすい道案内の看板が立っています。

法隆寺は仏教美術品はもちろん、建物のみどころも満載なので今回は建物の解説をしていきます。

明日つかえる法隆寺のさっくり解説

  • 聖徳宗(法相宗の一派)の総本山。
  • 貴重な仏教芸術の宝庫でもある。
  • 仏教彫刻だけでも国宝・重要文化財が282点!!もあってビビる。
  • 中には由来のまったく不明なものもあって、古代へのロマンをそそる。
  • 西院伽藍は現存する世界最古の木造建築物といわれる。
  • いわずもがな、聖徳太子が建てたお寺。創建が607年とされる。
  • 西院伽藍の建築年代について「創建以来だ!」「いや670年に一度焼失している」「いや、それよりも60年前に焼失しての再建だ」「いや、643年焼失でしょ。」と、偉い学者さんたちが激論を交わしてきたようだが、私たち一般人は「とにかく古い!!」と覚えておけばよいと思う。
  • だって1400年くらい前のことなんだもん。
  • その古い建築群が評価され、「法隆寺地域の仏教建築物」として世界遺産に登録されている。
  • ちなみに、日本の世界遺産第一号である。
  • 最初の門をくぐり進むと見えてくる中門の両脇には仁王像が配置されている。
  • 仁王像711年に造られたものであり、やはり日本で一番古い仁王像である。
  • 伽藍配置(お寺の建物の配置)は回廊に囲まれた中に東に金堂、西に塔。という配置。
  • この伽藍配置は中国や朝鮮半島でもみられない日本独自のもの。
  • 金堂・五重塔。回廊などを支える柱は、上下が細く中央が膨らんでいて、(胴張り。エンタシスともいう。)飛鳥時代の建築様式を感じることができる。
  • 拝観料が大人1500円と他のお寺より高く感じるが、西院伽藍・大宝蔵院・夢殿の共通拝観券なので、妥当な値段と言える。

法隆寺の貴重な伽藍たちご紹介

法隆寺には貴重な建物がたくさん建っていますが、その中でも代表的なものを紹介していきます。

法隆寺・五重塔

下の屋根の角に初層を支える健気な邪鬼がいる。

  • 日本に現存する最古の塔。(法隆寺は現存する最古ずくし)
  • お釈迦様の遺骨(舎利)を安置するための建物。
  • 当然ながら建物は国宝
  • 内部は吹き抜けになっていて、中心には心柱が通り、その下には舎利を納めた礎石がある。
  • といわれているが、なにせ五重塔は焼けたりせずにずっとここに建っているので、真偽のほどは誰も分からない。
  • でも、それがまたロマンで良い(笑)
  • 最上層の幅が初層の幅の半分になっており、その比率によって安定感を生み出している。
  • 最上層の屋根には雷火よけの相輪(そうりん)がニョッキリ立っている。相輪には輪っかが9個あり、一番上には水煙が飾られている。
  • その相輪の最下段に4本の鎌がかかっているが、何故そんな所に鎌があるのかは不明であり、法隆寺七不思議の一つらしい。
  • ていうか、法隆寺には七不思議があるのか・・・。
  • 五重塔には初層を四隅で支えている4体の邪鬼がいる。長い時間頑張っているので、それぞれに注目してあげてほしい。
  • 初層内部は外から拝観することができる。
  • 暗くてみえにくいが内部にはパノラマのように仏教説法の4場面が描かれている。
  • 北面の「涅槃像土」が釈迦の涅槃の様子を描いていてパっと見て分かりやすく、また一番有名。

法隆寺 金堂

  • 数ある法隆寺の仏像の中でも根本!!といえる本尊が安置されている場所。
  • 息を吐くように当然建物が国宝
  • 中は中央に釈迦三尊像。右に薬師如来像。左に阿弥陀如来像。とビックファイブかっ!と突っ込みたくなるほど、飛鳥時代の貴重な仏像が所せましと鎮座されている。
  • 堂の四隅に配置されている四天王像飛鳥時代末期のもの。
  • そうです。その像は日本最古の四天王像です。
  • 踏まれている邪鬼が他のお寺で見慣れた邪鬼ではなくてとても特徴的。
  • すぐそばにある講堂に安置されている平安時代の四天王像と、服装や持ち物を比べてみるのも面白い。
  • 金堂内部にはびっしり壁画が描かれていたのだが、昭和時代にこの壁画を模写している最中に不慮の火災によって焼損してしまった。
  • 現在の金堂内の壁画は焼失前に撮影された写真によって再現されたパネルがはめ込まれている。
  • ちなみに、もとの焼損した壁画は収蔵庫に納められているので安心されたし。

大講堂

  • 上記の二つ「五重塔」「金堂」に比べると時代は下り990年に建てられた。
  • 法隆寺で時代感覚がバグった私たちは「ああ、意外に新しいのね」と、思ってしまうが、それでも平安時代の建物である。
  • もちろん建物自体が国宝
  • 元々はもっと南に位置していたが、925年に焼失しており、現在の場所に再建されたとみられている。
  • 中には薬師三尊像・四天王像が安置されている。
  • いずれの像も平安時代の作品
  • 金堂の飛鳥時代の仏様。大講堂の平安時代の仏様。と時代ごとの作風や技術の違いを一つのお寺で感じることができる。
  • 一つのお寺で二度おいしい。経験ができる。

大宝蔵院

  • 歴史的建造物ばっかりの建物の中で、朱色の柱がまぶしい近年建てられた建物(法隆寺の伽藍と比べればどの建物も新しいと表現できるけど)
  • 百済観音を安置するために平成10年に新築された。
  • 宝蔵院の中では「百済観音」だけでなく、「玉虫の厨子」「夢違観音(ゆめたがえかんのん)」など法隆寺のお宝が数多く展示されている。

夢殿

  • 金堂・五重塔を囲む回廊を出て境内を東に進むと東大門があり、それを過ぎると「東院伽藍」に向かう道にとなる。
  • 東院の地は斑鳩宮のあったところ。
  • 聖徳太子の住居のあった場所とされる。
  • 奈良時代(739年)、その跡地に太子を慕う行信という僧が「夢殿」を中心に東院伽藍を造営した。
  • もとはただの仏殿という味気ない名前だったが、いつの頃からか「夢殿」というロマンチックな名前で呼ばれることになった。
  • 当然ながら、八角の殿堂としては日本最古のもの。
  • というわけで、建物が国宝
  • この中には夢殿の本尊でありながら歴代の住職でさえもみることができなかったといわれる絶対秘仏「救世観音立像」が納められている。
  • 現在は春と秋の特別開帳の時期のみ「救世観音」様のお姿を拝観することができる。
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法隆寺DATA

奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1

JR法隆寺駅からバスで8分「法隆寺門」下車すぐ。またはJR法隆寺から徒歩25軍。

駐車場なし。ただし、近隣に法隆寺参拝者のための駐車場は多数あり。(どこも600円~400円程度)

拝観時間:8時~17時(11月~2月は 8時~16時30分)