お寺

厄除けだけじゃない!岡寺の魅力大紹介

古の都、飛鳥。

その地に、日本初の厄除け零場である「岡寺」があります。
奈良県で知らない人はいないほど厄除けで有名な「岡寺」ですが、

その起源は古く、かの弘法大師プロデュース!のモチ肌仏像がいらっしゃるなど、厄除け以外にもたくさん魅力のあるお寺です。

今回は、明日香村ののどかな山の中にあって、かつての名残をひっそりと残す「岡寺」の由来や楽しみ方などをご紹介していきます。

岡寺の基本情報

岡寺(龍蓋寺)

住所:奈良県高市郡明日香村岡806
電話:0744-54-2007
拝観時間:8時00分~17時00分(12月~2月は ~16時30分)
入山料:400円

アクセス:近鉄「橿原神宮前駅」東口より奈良交通バス「岡寺前」下車、徒歩5~10分。
駐車場:あり。

岡寺の駐車場情報

岡寺には、「岡寺」専用の無料駐車場があります。
よっぽどの事がない限りはこちらに無料で停めることができます。ただし、行く道が狭くて少し迷いやすいので注意が必要です。

運転に不安のある方や、初心者が広い道から迷わずに行こうと思えば、民間の有料駐車場である「岡寺門前駐車場」を利用するのもありです。1日500円です。駐車場から岡寺までの歩く道のりに、急な坂道があるのでそこは気をつけましょう。

明日から使える岡寺のお話

  • 古代の都・飛鳥の東、岡山という山の裾にあるお寺。
  • 真言宗豊山派
  • 663年、天智天皇の勅願により創建。
  • 受付をしてすぐにくぐる門「仁王門」は重要文化財。
  • 実は、正式名称は「龍蓋寺(りゅうがいじ)」
  • 岡寺を開いた義淵僧正という名僧は、法力(マジックパワー的なもの)も優れていた。
  • 義淵僧正はこの地で暴れていた悪龍を、法力によって寺の中にある池に封じ込めて大きな石で蓋をした。という言い伝えがある。
  • そのため、このお寺は龍に蓋をした寺「龍蓋寺」と呼ばれることとなったという伝承がある。
  • 実際に、お寺の境内には、「龍蓋池」という池がある。むやみにつついて龍を起こしてはいけない。
  • この伝説は、岡寺の厄除け信仰の由来のひとつとされている。
  • しかし、正式名称で呼んでも一部のマニアしか分からないほど通称である「岡寺」の名前が有名なのはご愛敬。
  • 現在の本尊である巨大な如意輪観音が作られるまでは、小さな「菩薩半跏像」がご本尊だった。
  • その元・ご本尊は現在は京都国立博物館に寄託中。
  • 西国三十三か所の第七番札所である。
  • ご詠歌は「けさみれば 露岡寺の 庭のこけ さながら瑠璃の ひかりなりけり」
  • 瑠璃とは、東方浄瑠璃世界の尊い青色を差している。
  • っていうか、ご詠歌も「岡寺」って詠んでいるよね。
  • 日本最初の厄除け霊場といわれていて、常に多くの参拝者を集める。

実は日本三大仏・如意輪観世音菩薩

正面からちゃんとお姿を見ることができる。ご本尊「如意輪観世音菩薩」
  • 岡寺のご本尊は「如意輪観音(にょいりんかんのん)」
  • 重要文化財
  • 土を固めて作られた塑像つくり。(粘土を盛り上げたり、削り取ったりして作られる技法)
  • 塑像の元となる土に、仏教伝来の道のりにちなんで、インド・中国・日本の三国のものを使用している国際派仏像。
  • 塑像の仏像は飛鳥時代後期から奈良時代までにさかんに作られた。
  • そして、如意輪観音としては日本最古の作例である。
  • 高さは、4.85メートルとかなり大きい。
  • 岡寺の如意輪観音は塑像で作られた仏像としては日本最大の大きさ
  • あまり知られていないが、東大寺の大仏、長谷寺の十一面観音とともに日本三大仏のひとつに数えられている。(あれ?鎌倉の大仏は?と思ったのは、きっと私だけではない。)
  • 塑像は素材が土のために脆いため、現在は表面の剥落のために全身真っ白いホワイトボディだが、作られた当時は鮮やかに彩色されていた
  • ちなみに、如意輪観音像は、片膝を立てた六臂(六本の手)の像が多いが、岡寺の如意輪観音は、2本の手である。
  • そして、如意輪観音は片膝を立てたアンニュイな姿のものが多いが、こちらの如意輪観音像はどっしりと座って(結跏趺坐)おられる。
  • 下半身はのちの時代の補修であるので、以前は右足を下げた半跏姿だったのではないか。という説もある。

如意輪観音とは?

インド神話では、神様が変身するという物語がしばしば語られます。インドで生まれた仏教にもその名残が色濃く残っていて、観音菩薩様も、同じように様々な姿に変身すると考えるようになりました。如意輪観音とは、色んな姿に変身して人々を救ってくれるという観音菩薩さまの変化した姿の1つです。基本的に一面六臂(一つの顔に六つの手)で表されることの多い仏様で、「如意宝珠(にょいほうじゅ)」「法輪」を持っていることから「如意輪観音」と呼ばれます。手に持つ宝珠の「如意宝珠」(ちょっと桃のような形)は、どんな願い事も意のままに叶えてくれるという不思議な宝珠です。一家に一つ欲しい・・・(笑)
ちなみに、「如意」とは思いのまま。という意味。
孫悟空が持っている如意棒は「持ち主の思いのままに伸び縮みする」ので如意棒なんですね。

岡寺と言えば花手水

「厄除け」「如意輪観音」が有名な岡寺。

その「岡寺」でもう一つ有名なのが「花手水(はなちょうず)」です。

花手水とは・・・神社やお寺の入り口付近にある、手を清める場所(手水舎)に花などを浮かべたものです。

昨年新型コロナウィルス感染予防のため、お参り前の柄杓の共有や、手や口のお清めを控える寺社が増えました。各寺社が少しでもその代わりに参拝者に楽しんでもらおうと、「花手水」は今、全国に広がりをみせています。

私が参拝したゴールデンウィークには、天竺牡丹(ダリア)ビー玉が飾られていてとても綺麗でした!
とってもインスタ映えしますね(笑)

ビー玉がキラキラしていてとても雰囲気に合っていました。

季節によって浮かべられている花の種類がちがって、何度でも訪れたくなります。
ちなみに、岡寺公式インスタグラムでは、随時、花手水情報を発信してくれていますので、ぜひチェックしてみてくささい!

手水舎の隣の池ではゴールデンウィーク限定で境内にある池に奉納された天竺牡丹(ダリア)を浮かべるイベントも!(献花の状況によってゴールデンウィーク以外でも見られるようです。)

また、境内には約3,000株もの石楠花(シャクナゲ)が植えられています。花手水だけでなく、毎年4月~5月ごろにかけて咲き、境内を彩ります。

探してみたら面白い・その他のみどころ

鐘楼堂にある、梵鐘。
こちらの梵鐘は戦時中に、溶かして武器の材料とされそうになったがそれを免れました。
その名残として、材質調査用にくりぬかれた穴が今でも残っています。
訪れた際は要チェックです!

境内には色んな仏様がいらっしゃいますが、中にはこんなかわいらしいお地蔵様も。
どこにいらっしゃるのかは、ぜひ訪れて探してみてくださいね。

とはいえ、やっぱり厄除けが気になる

色んな見どころがある岡寺ですが、やはり有名なのは厄年。

「つつしむべき年にて、過ぎにし如月の初午の日、龍蓋寺へまうで侍り・・・」
とは、鎌倉時代に書かれた歴史物語「水鏡」の書きだし。

「つつしむべき年」とは「厄年」のこと。
こんなはるか昔から、岡寺の厄除け信仰は続いていました。

岡寺では、厄除け祈願を毎日本堂で受付してくださっているので、いつでも厄除け参りが可能です。

ちなみに、「厄年」とは、わざわいが起こる歳。というわけではありません。
長い人生で、男性・女性ともに精神的・肉体的にも疲労がたまりやすい年齢の時期には、心身ともに気をつけましょう。という昔の人の知恵が「厄年」です。

「水鏡」の中の「つつしむべき年」という表現は、まさに厄年にピッタリの言葉。
「厄年」には、これまでの人生の感謝と心の謙虚さをもって穏やかに過ごす。ということを意識する年にできたらいいですね。

周辺観光など

岡寺のある明日香村は、古代の遺構や、古墳・歴史あるお寺がたくさんあって飽きません。

岡寺へ参拝したあとは、色んなお寺や遺構をめぐって、古代ロマンを満喫してみてはいかがでしょうか。

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石舞台
奈良県民は遠足で必ず訪れるという、古代の有力者の古墳の跡。(蘇我馬子の墓という説が有名)
中の石室にも入ることができて、古墳好きは是非訪れてほしい場所。

亀石
こちらも飛鳥のシンボル的存在にもなっている亀石。
本当に亀のようにみえるが、なぜこの場所にこのようなものがあるのかは、分かっていない。謎多き石造物。

岡寺まとめ

岡寺、いかがだったでしょうか。
厄除けで訪れた人も、観音様めあての人も、お花が好きな人も、その全ての人の願いを受け止めてくれる
「岡寺」。紹介したものの他にも、紅葉のトンネルなど、境内にはフォトジェニックスポットがたくさんあります。明日香観光のさいは、ぜひ訪れてみてくださいね。