お寺

東大寺いまさら聞けない基本をざっくり解説

奈良観光と言えば東大寺。東大寺と言えば大仏というのが定石ではないでしょうか。今回は奈良観光の王道、東大寺についてざっくりと紹介したいと思います。

近鉄奈良駅から歩いて20分ほどの所に東大寺はあります。一本道なのと、駅から東大寺に向かう人の流れができているので迷う事はほぼありません笑。東大寺自体には駐車場がない為、でお越しの方は奈良市内の観光地周辺にある市営駐車場に車を停めてから徒歩で向かう事になります。

さて、この東大寺、敷地がものすごく広くて、大仏のある「大仏殿」はもとより阿形吽形の「南大門」。その他にも「戒壇堂」や「法華堂」、「二月堂」、そして「東大寺ミュージアム」・・・と見どころがありすぎるんです。とても簡単には紹介しきれないよ!というわけで、今回は一番有名な「大仏殿」と「南大門」をご紹介。

東大寺

住所:奈良市雑司長406-1
拝観時間:「大仏殿」7:30~17:30「法華堂(三月堂)・戒壇院千手堂」8:30~16:00「東大寺ミュージアム」9:30~17:30 (季節によって変動あり)
拝観料:「大仏殿」「法華堂」「戒壇堂」「千手堂」「東大寺ミュージアム」それぞれに別途必要。600円「大仏殿・東大寺ミュージアム共通券」は1000円

アクセス:「近鉄奈良駅」より徒歩20分または、市内循環バス「東大寺大仏殿・春日大社前」下車徒歩5分。

駐車場:専用駐車場はないので、近隣のパーキングを利用。
春・秋の観光シーズンの土日祝には観光無料駐車場あり。駐車場からは「ぐるっとバス(運賃100円)」などを利用。

大仏殿の前に、「南大門」を観察

東大寺の正門である「南大門」。建物自体が国宝に指定されていて、東大寺を訪れ、南大門をくぐると「ああ、東大寺に来たなぁ。」という実感がわいてきます。内部は上層まで吹き抜けになっていて、柱を縦横に繋ぐ貫(ぬき)など、その建築の技に圧倒されます。門をくぐる時は、左右の仁王像だけではなく、内部を見上げることをお勧めします。

柱を縦横に繋ぐ貫(ぬき)は迫力があって美しい。

南大門といえば「金剛力士像」

  • 教科書にも載っていた気がする、日本で一番有名な「金剛力士像」
  • 向かって左の口を開いている方が「阿形」。向かって右の口を閉じている方が「吽形」 ともに国宝。
  • 元来は執金剛神という神様だが、釈迦に使える場合に二体に分かれることから「仁王」とも呼ばれる。
  • 金剛杵(こんごうしょ)という武器を手に持っている。
  • 金剛杵とは仏教界最強の武器と言われている(何それカッコイイ)
  • 両像の視線と足の先が大仏殿に向いているのは本尊の守護の為といわれる。(イケメンすぎる)
  • とても大きい仏像なのに運慶・快慶などの慶派仏師チームがわずか69日で作り上げたというのは有名な話。
  • ちなみにこの両像は下から見上げた時に一番カッコよく、迫力のあるように造られている。その為、真横からのショットを写真で見るとバランスが悪く見えるような気がする。
  • なので、写真などではなく是非とも本物を下から仰ぎ見て、あまりのカッコよさに痺れてほしい。
  • そして、その仁王像の裏にひっそりと鎮座している「石造獅子像」もわすれるなかれ。
  • 仁王像があまりにも素晴らしいので目立たず観光客に素通りされてしまう悲しき「石造獅子像」。これも立派な重要文化財である。
  • 東大寺の鎌倉再建時に造られた。材料の石は当時の中国の王朝「宋」より輸入したというこだわりの獅子像。
  • 神社の狛犬ともまた違ったエキゾチックな面影は是非チェックしてほしい。

明日使える東大寺「大仏様」ざっくり解説

毘盧舎那仏 (国宝)
  • 東大寺は華厳宗の大本山
  • 華厳経は、仏のさとりの世界とそこに至る道を説くというお経。
  • 平城京の東にあったので「東大寺」呼ばれる(ちなみに西大寺もある)
  • 大仏様の本名は「盧舎那仏(るしゃなぶつ)」宇宙そのものを表す仏様。(宇宙そのものなんだから大きいはずだね)もちろん如来様。
  • 知恵と慈悲の光で世界を照らしてくれている。
  • 奈良時代聖武天皇が仏教の力で国を守護しようと大仏の鋳造を開始した。
  • 大仏は当初、紫香楽(現在の滋賀県甲賀市)で作りはじめられたが、地震などにより中断され現在の「東大寺」の場所で鋳造が再開。
  • 当時の国家が傾くほどの膨大な予算をかけ、260万人(当時の人口の2人に1人と言うからおどろき!!)もの人が関わったとされる。
  • 752年に行われた大仏開眼供養会には、聖武天皇はもちろん、海外から多数の高僧を招いて行われたといわれる。(奈良時代は、私たちの思っているよりも遥かに国際色が豊かだったらしい)
  • 焼き討ちや地震などで、何度か壊滅的な打撃をうけ、幾度も修復を繰り返しているが、蓮弁や腹部などには奈良時代の部分が残っている。
  • 大きさは14メートル98センチ!間違いなく日本で一番大きい仏像。写真撮影も可能なのが嬉しい。
  • 大仏殿の中には大仏殿の100分の1のミニチュアがあり、時代ごとに建て替えられた大仏殿の外観の変遷を知るのも楽しいひと時。(技術の向上が面白い)
  • ちなみに、奈良時代の大仏殿の横幅は88メートル。現在の大仏殿の横幅は57メートル。奈良時代の大仏殿はもっと広かったらしい。
  • 毎年、正月元旦と8月15日夜の万燈供養会の際には、大仏殿の真ん中あたりにある窓(観相窓というらしい)が開けられ、大仏殿の外からも大仏様の顔を拝することができる。
  • これが本当に美しい!日程を調整してでも訪れる価値がある!!
  • ちなみに、東大寺周辺に生息しる鹿はアグレッシブな個体が多いので、鹿せんべいをあげる際は注意が必要。

オマケ・大仏殿ではここもチェック

さりげなく国宝 「八角灯篭」
  • 大仏殿前にあるひときわ大きな八角灯篭は創建当時より残るもの
  • 現存最古にして最大の金銅製灯篭
  • 扉の面には獅子が。ほかの四面には楽器を奏でる音声菩薩が浮き彫りであわされる
  • ちなみに、音声菩薩のうちの一面は東大寺ミュージアムにて展示されている(破損が目立つらしい)
  • 東大寺は国宝のオンパレードなので感覚がマヒしてしまいがちだが、奈良時代から立っているいる灯篭を眺めて、ぜひ古代に想いを馳せてほしい。