お寺

大和路の十一面観音様の専用「朱印帳」で観音様巡礼をはじめてみました

いにしえの都・奈良
そこには歴史あるお寺や仏像がたくさんあり、今でも私たちを楽しませてくれます。

そんな仏像たちの中でも特に人気があるのが「十一面観音」

実は、奈良の寺社に数ある「十一面観音」様の中でも特に有名で人気のある観音様特化した、面白い「ご朱印帳」があるのをご存知ですか?

その名も「大和路秀麗 八十八面観音巡礼 参拝ご朱印帳」
美しい観音様を巡るみちしるべに最適なのでご紹介したいと思います。

ぜひ、お寺を楽しく巡るきっかけにしてください!

ご朱印帳とは?

ご朱印帳とは、寺社に参拝した際に、参拝の証として寺院から戴くものです。

こちらは、浄瑠璃寺のご朱印
こちらは金峯山寺のご朱印

このように、寺社によってさまざまな墨書や印やデザインがあり、寺社のオリジナリティのあるものばかりです。現在ではこのような形となっているご朱印ですが、もともとは、自ら書写したお経を仏前に奉納した(=納経)がルーツ。
その為、「ご朱印」はただの記念スタンプなどとは違い、仏様と自分の「縁」を結んだ証
ご朱印を頂くときは、しっかりとお参りをしてから戴くのが、仏様への心くばりになると思います。

そんな、ご朱印を頂くための台紙がご朱印帳

また、近年「ご朱印」がブームになっていることもあって、ご朱印帳には、はっとするような素敵なデザインや、モダンな可愛いデザインのものも出回っています。自分好みのご朱印帳を選ぶのも楽しみの一つといえます。

ご朱印帳はお寺でも売っています。
アマゾンなどの大手通販サイトには様々なデザインのものがあって見ていて飽きません。

奈良の十一面観音様に特化したご朱印帳ご紹介

「八十八面観音巡礼」とは、「奈良の8寺院(西大寺・法華寺・海龍王寺・大安寺・法輪寺・聖林寺・長谷寺・室生寺)の十一面観音を訪ねる旅のこと。」~八十八面観音巡礼公式HPより~

十一面観音様のお顔 と8つの寺院ということで 11面×8寺院⇒88面・・・八十八面観音。という訳です。

巡礼には一般的なご朱印帳ではなく、該当のお寺で販売されている「八十八面観音巡礼」専用のご朱印帳を使用します。
そして、お寺を参拝した際には蓮の花びらを模した、これまた専用の「散華型の朱印用紙」にご朱印を頂きます。(ご朱印代300円が必要です。)頂いたら専用のページに貼り付ければ、素敵なご朱印帳が完成。

専用ページにはそのお寺の観音様の写真もついてありがたさ倍増!!


巡るお寺の数も8寺社と、名だたる巡礼(西国三十三か所や四国八十八か所など)に比べれば回りやすい数です。巡る楽しみ、集める楽しみの両方を手軽に味わう事が出来ます。

さらに、「大和路秀麗 」というタイトルだけあって、「八十八面観音巡礼」に選ばれているお寺の十一面観音様はとても美しい観音様が多いのもポイント!!

ぜひ筆舌に尽くしがたい美しい観音様と向かい合い、清廉な心をゲットしてください。

八十八の話

「八十八面観音」と聞いて、どうして八十八にしたんだろう?と思ったりしませんか?

八十八に使われている「8」という数字は、古代日本では聖なる数でした。
漢字の「八」も末広がりで演技が良いとされます。

なので、日本の言葉や、地名に「八」はよく登場します。(八雲・八千代・八重桜などなど)

一番分かりやすいのが日本古来の土着信仰である「八百万の神様」という表現。
ここに「八」の数字が使われています。この「八百万(やおよろず)」というのは8,000,000を表しているわけではなく、「万(よろず)」は、色んな。という意味であり、「八百(やお)」は、数が超多い!という意味です。
千万(せんよろず)としないで八百万としている辺りに「八」へのこだわりを感じますね。

暦でいえば、八十八夜。これは、日本独自の暦の1つです。立春から数えて88日目の日の事をさします。
また、お遍路で有名な四国の零場巡りも四国八十八か所。これは、人間の煩悩の数が88あることから、八十八か所のお寺をめぐって煩悩を消そうという信仰です。

そういえば、日本人になじみの深い「米」という漢字の由来も「八十八回手間がかかる」から。と教えてもらったような・・・やっぱり日本人は八が好きなんですね(笑)

観音様とは?

正式には「観世音菩薩」というお名前の観音様。誰しもが一度は耳にしたことのある名前ではないでしょうか。

観音様は、苦しみにあえぐ人々が救いを求める声を聞き洩らさない仏様です。願いをかなえてくれる現世利益の仏様としてもいつの世も大人気。

観音様は、助けを求める人に応じて、姿を変えて現れその人を救う。といわれています。

その観音様の変化の姿の1つであるのが十一面観音。

文字通り11面のお顔を頭上に持ちます。
これは、あらゆる方向に顔を向けて、あらゆる人々を救ってくださる。という意味。
観音様のやさしさに、涙ちょちょぎれそうになります。

そして、この十一面観音様は・・・とっても整った美しい面立ちの仏像が多いのも特徴。元々性別のない仏様なので男とも女ともつかない不思議な魅力に見ているだけで胸が躍るような気分になります。

8つある寺院を簡単にご紹介

西大寺

奈良時代に建立され、創建当時は東大寺と並ぶほどに権勢をほこったお寺。春秋に行われる大茶盛式(大きな茶碗で茶を回し飲みする)が有名。他のお寺と比べるとあまり有名ではないが、本格的な藤原彫刻(平安時代後期の代表彫刻)である十一面観音様(重要文化財)がお祀りされている。

住所:奈良市西大寺芝町1-1-5

法華寺

奈良時代に活躍した藤原不比等の邸宅のあとに、聖武天皇の皇后だった光明皇后が建てたのが始まりのお寺。そのためなのか、ここのお寺の十一面観音様(国宝)は光明皇后がモデルといわれている。

住所:奈良市法華寺882

海龍王寺

平城京の北東の隅にあったお寺。こちらも光明皇后によって「海龍王寺」として創建された。遣唐使船と深く関わりがあり「海」の名を冠する。こちらの十一面観音様(重要文化財)は小柄ながらお顔が特に美しく(個人の感想です)存在感抜群。私が一番好きな十一面観音様です。

住所:奈良市法華寺北町897

大安寺

がん封じとして有名なお寺。本堂へも気軽に入れる親しみやすさからか人気も高い。十一面観音様(重要文化財)の頭部などは後世のものだが、身体は奈良時代のもの。胸元の装身具(ネックレスなど)が繊細で美しい。

住所:奈良市大安寺2-18-1

法輪寺

法隆寺の近くにありながら、「聖徳太子創建7寺」に入っていないという創建の詳細が不明なお寺。しかし、寺には飛鳥時代から平安時代にかけての仏像が多く収蔵されていて、仏像ファンには外せない。ご本尊の十一面観音様(重要文化財)は4メートル近くあり、ぱっちりおめめが印象的で力強い。

住所:奈良県生駒郡斑鳩町三井1570

聖林寺

大和盆地や三輪山をのぞむ高台にあるこぢんまりしたお寺。天平時代の彫刻の代表ともいえる美しい十一面観音様(国宝)がいる。この美術史的にも評価の高い観音様には多くのファンがいる。かのフェノロサが惚れこんで特別な厨子をプレゼントしたのは有名な話。

住所:奈良県桜井市市下692

長谷寺

西国三十三か所発祥の地。古くから人々の絶大な信仰を集めるお寺。十一面観音菩薩立像(重要文化財)は10メートル越え!木の仏像としては日本最大

住所:奈良県桜井市初瀬731-1

長谷寺の歴史や十一面観音様のご紹介 奈良県桜井市を車で走っていると「長谷寺まであと〇キロ」なんていう看板をよく見ます。今回はそんな奈良県桜井市が誇る長谷寺をご紹介。 ...

室生寺

奈良市内から遠く離れた山岳寺院。女人禁制だった高野山と対照的に古くから女性を受け入れてきたお寺。「女人高野」とも呼ばれる。その為なのか十一面観音菩薩様(国宝)もどこか女性的。光背の色彩が豊かに残っている。

住所:奈良県宇陀市室生78

まとめ

今回は「大和路秀麗 十一面観音巡礼」をご紹介してみました。

この特別ご朱印帳は巡礼に入っている寺社の売店で手軽に購入できます。

堅苦しく思わずに、興味のある方は是非チャレンジ!手軽にお寺巡りを始めてみてくださいね。
何となく有名だから・・・とお寺を訪れるよりもお寺への興味や理解が深まってよりお寺や仏像が楽しめますよ!!