夏の季語であり、「飲む点滴」とも称される「甘酒」
麹ブームの代表ともいえる存在ともいえる発酵食品です
甘酒ときくと、酒粕をつかった甘酒を想像される方もいるようですが、甘酒とは本来、米と米麹(こめこうじ)と水をあわせ、発酵させてつくるもの。
アルコールを含んでいないので、子どもからお年寄りまで安心して飲める健康ドリンクです。
今回は、その「甘酒」について掘り下げていきます。
□この記事をよんで分かること□
甘酒の作り方・甘酒の基本・甘酒の栄養や美容効果・甘酒の楽しみ方や注意点。
それでは一緒にみていきましょう。
麹(こうじ)でつくる甘酒レシピ
炊飯器を使った簡単☆甘酒の作り方
普段、私はタニカのヨーグルティアを使用してカンタンに甘酒などを作成しています。発酵食品のために家電を買うのもなぁ・・・と思う方には、炊飯器の保温機能で作る甘酒がオススメ!
常温だと、完成までに1週間ほどかかる甘酒が8時間程度でできちゃいます☆
さらに発酵家電であるヨーグルティアなら、勝手に温度管理をしてくれるので失敗なし。
ヨーグルティアの紹介はこちら↓↓↓
米麹(市販のもの):200g
おかゆ :米1合分(約150g)
水 : 400g程度
※米麹はバラでも板でもどちらでもOK。板麹の場合は手でバラバラにほぐしてから使う。
① おかゆを炊く。(鍋で米の重量の4倍程度の水を入れて炊く。)
② おかゆを人肌くらいまで冷ましたら、米麹・おかゆ・水を混ぜ合わせて炊飯器に入れ、保温ボタン(低温)を押す。(50~60度が最適温度)
③ 60度よりも高くなってしまいそうな場合は、完全にフタをせずにフタを開けてふきんなどをかけておく。
④ 8時間程度で完成。ふっくらとして、味をみたときに甘みを十分に感じたら完成。
⑤ 手ごろな容器に移し替えて、粗熱をとってから冷蔵庫で保管する。(だいたい1週間ほど飲める)
⑥ 甘酒は置いておくと、冷蔵庫でもどんどん発酵が進んで味が変わっていくので、毎日味を見て確認してください。
甘酒は砂糖が入っていないのになぜ甘いの?
甘味は麹(こうじ)が米のでんぷんをを分解してできたブドウ糖の甘さです。
甘酒を作る過程で原料である米にこうじ菌が働きます。すると、米にたくさん含まれるでんぷんが分解されてブドウ糖にかわります。
このブドウ糖のおかげで、甘酒は砂糖を入れなくても十分に甘くなるというわけです。
ちなみに、一般的な甘味料(甘みを着けるための調味料)である砂糖(ショ糖)はブドウ糖と果糖という二つの糖がくっついた物質です。(砂糖(ショ糖)=ブドウ糖+果糖)
美味しいだけじゃない!甘酒に期待できる効能
「飲む点滴」とも言われることのある甘酒。奈良時代にはすでに甘酒の元祖ともいえる͡醴酒(こざけ)が醸造されていたという記録もあります。
甘酒にはオリゴ糖や食物繊維、ビタミン類(B1・B2・B6)や必須アミノ酸など豊富な栄養成分が含まれています。それらによって期待される健康パワーは主に3つ!!
- おなかの調子を整えて免疫力アップ
- 肌の調子アップ&アンチエイジング効果
- 夏バテ防止&疲労回復効果
詳しくみていきましょう。
お腹の調子を整え免疫力アップ
甘酒には米のデンプンを分解してできる、ブドウ糖やオリゴ糖が豊富に含まれています。オリゴ糖は腸内の善玉菌が好むエサ。善玉菌の働きを活発にしてくれる効果があります。
さらに米由来である食物繊維・レジスタントプロテイン(食物繊維のような働きをするたんぱく質)も含まれており、腸内環境をよくする働きが期待できます。
腸内環境と免疫力ってどう関係があるの?と多くの方が思うかもしれませんが
そもそも腸は体に入ってきた食べ物を消化・吸収・排せつといった役割だけでなく、身体に入ってきた悪いものから体を守る免疫機能を持っています。
腸の粘膜には多くの免疫細胞が集中していて、腸内環境が悪いと免疫システムが上手く働きません。
腸内環境を善玉菌が優位になるように働きかけることで免疫力アップに期待ができるというわけです!!
肌の調子アップ&アンチエイジング効果
米麹にはビタミンB群やコウジ酸などの栄養成分も含まれることが分かっています。
「「塩こうじ」「しょうゆ麹」とはどんなもの?使い方のコツをご紹介!」という記事でもご紹介したのですが、ビタミンB群は、「ビタミンB1・B2・ナイアシン・B6・B12・葉酸・パントテン酸・ビオチン」の8種類で構成されています。そんなビタミンB群は別名「美容ビタミン」と呼ばれるほど皮膚の代謝などに深い関りがあります。
たんぱく質の合成に関わっているビタミンB群は不足すると肌荒れや、髪のトラブルを引き起こします。甘酒を取り入れることでビタミンB群を取り入れることができ、美肌効果が期待できます。
もう一つ、ビタミンの他にも注目したいのが麹に含まれるコウジ酸。
「コウジさん!」と、まるで頼れるヒーローのような名前のコウジ酸。
この成分には、抗酸化成分が含まれていて、シミの原因となるメラニン色素の過剰な生成をおさえる働きがあります。また、アンチエイジング効果も期待することができます。
甘酒には、健康効果だけでなく、こうじ菌の生み出すビタミンB群と、コウジ酸の作用で肌の調子アップ!というような美容効果も期待できるというわけです。
夏バテ防止&疲労回復効果
甘酒のほんのりした甘み。これは、材料の米に含まれるでんぷんを分解してできた「ブドウ糖」の甘さだという事は「砂糖が入っていないのに何故甘いの?」の章でご紹介しました。
甘酒に含まれる「ブドウ糖」は糖の最小単位の形で体内に入ります。その為、体の中で消化酵素で分解するという工程を省略できます。そのため、すばやく体内に吸収されます。すばやくエネルギー源になる。ということは、身体の弱って消化の衰えている人や、夏バテで食欲がなく栄養が不足しがちな人にぴったり!ということ。
薬などがすぐに手に入らない時代、人々は経験的に夏バテ予防として栄養満点の「甘酒」を取り入れてきました。昔の人は経験的に甘酒が身体の衰えた機能に最適。という事を知っていたんですね。
甘酒が夏の季語だというのも頷ける話です。
甘酒ってどうやって取り入れるの?
甘酒の楽しみ方
まずは甘酒そのものを楽しんで!
栄養満点の甘酒。まずはそのまま飲むことから始めましょう。
一日の目安はだいたい100~160ccくらい。
飲んですぐにエネルギーになるので、忙しくて朝食をとる時間がない時などに飲むと最適です。
甘酒の甘さが気になる人は、他の飲み物をプラス!
甘酒には砂糖のようにべったりとした甘さがなく、飲みやすいのが特徴ですが、「甘くて飲みにくい」という声も聞くことがあります。そんな時、試してもらいたいのが、甘酒ドリンク!!
甘酒を様々なものと割ることで甘さが軽減されさらに、甘酒にない栄養素もプラスすることができて一石二鳥ですよ!
オススメ甘酒レシピはこちら↓↓↓
甘酒:牛乳 =6:4
甘酒6割に対して牛乳を4割いれて割って飲む。
※甘酒を牛乳で割ればたんぱく質やカルシウムといった甘酒にはない栄養素が追加されて甘酒の健康効果がよりいっそう高まります!
甘酒にお好みの量の柑橘類の汁を入れる。
※甘酒の甘さが和らぎさっぱりとした味わいになります。さらに柑橘類に含まれるクエン酸の効果によって、疲労回復効果のアップが期待できます。
日々の調味料(甘味料)として使う
飲む以外で甘酒を取り入れるなら、甘味料として料理に取り入れるのはどうでしょうか。
甘酒は砂糖のかわりに調味料として使えば、まろやかで深みのある甘さで料理を引き立ててくれます。
特に酢の物などの加熱しない料理に使用すれば甘酒の菌を生きたまま取り入れることができてオススメです。
また、スイーツとも相性がよいです。
パンケーキやスコーンの甘味つけに甘酒を使ってみてはいかがでしょうか。
我が家の定番は甘酒入りベビーカステラです☆
漬け込んで使う
以前の「植物性乳酸菌の宝庫!漬物の発酵パワー」という記事の中で漬物の種類の中に「べったら漬け」というものを紹介しました。
甘酒をつかえば、なんちゃって「べったら漬け風」のつけものが楽しめますよ!
材料
大根などの野菜 : 適量
① 大根などの野菜を薄切りにして、軽く塩を振ってからしばらくおく。(15分ほど)
② しばらくしてでてきた野菜の水をかるく絞り、ジップロックなどの袋にいれる。
③ 材料全体がなじむ程度の甘酒を入れて、外側からもみ込む。
④ 冷蔵庫で2時間以上漬ける。
※純粋なつけものではないので、日持ちはあまりしませんが(冷蔵庫で2~3日)浅漬けが食べたいときなどに便利です。
飲むときの注意点
甘酒には様々な健康効果があり、毎日飲むとさらに効果が上がります。
しかし、甘酒は米を原料としているため、「おちょこ1杯25キロカロリー」となかなかに高カロリー。
(森永製菓のダースというチョコレート一粒で21キロカロリー)
とりすぎると肥満の原因に!
さらに、ブドウ糖が豊富ということで、吸収が早くて、血糖値にもダイレクトに影響します。
いくら美味しくて健康に良いとはいえ、甘酒を取り入れる量は、一日カップ八分目(約160cc)を限度にしましょう。
甘酒まとめ
甘酒、いかがだったでしょうか。
米をこうじ菌(コウジカビ)で発酵させるとできるのが甘酒です。
たまに酒かすをお湯でといたものも甘酒として売られていますが、こちらとはまた別のものです。
こうじ菌を利用した甘酒は、体に吸収されやすい糖が含まれていて素早いエネルギー補給ができます。
さらに甘酒には、ビタミンB群などが多く疲労回復に役立つ。ということがお分かりいただけたでしょうか。「飲む点滴」といわれることもある甘酒、夏バテや疲労時の食が進まない時に、ご紹介した方法でぜひ生活に取り入れていってみてくださいね。