最近、よく名前を聞くようになった「酵素」
酵素ジュースやサプリメントなどさまざまな商品が出ていますが、実は家でも簡単に作れるんです。
自家製酵素ジュースはジャムなどと違って、フルーツに含まれる酵素を壊さずに摂取することができるのが魅力。
今回は、家で手軽につくれるフルーツを使った基本的な酵素ジュースの作り方や、そもそも酵素って何!?といった話をご紹介していきます。
ではさっそくスーパーで買えるフルーツで酵素ジュースをつくっていきましょう!
簡単!フルーツ酵素ジュースの作り方
・フルーツ(何でもよい)適量
・砂糖(上白糖がよい)フルーツの量の1.1倍の重さ
・酵素ジュースを入れる容器(混ぜられるものがよい)
今回は
キウイ 3個
いちご 5個
砂糖 290g
290gで作成しました。(キウイといちごの重さが260g程度)
酵素ジュースをつくる場合、材料の砂糖は、上白糖やグラニュー糖などの精製された砂糖を使用するようにしましょう。
黒砂糖やきび砂糖などの未精製の砂糖は、ミネラル分などを多く含むのでそれらが発酵の妨げになってしまい、上手く発酵しなくなる可能性があります。
フルーツ発酵ジュース作り方
① まず、使用するフルーツの皮を剥いて、小さくカットします。カットしたらフルーツの全体の重さを計量。(今回はキウイ・いちごを合わせて265g程度でした。)
材料のフルーツの種は、発酵の妨げとなるので必ず取り除くようにしてくださいね。
② フルーツの重さの1.1倍の砂糖を入れてスプーンなどで混ぜます。(フルーツが265gでしたので砂糖は約1.1倍の290g入れています。)
③ アルコールや、煮沸などで消毒した容器に入れます。
④ 1日一回、必ずかき混ぜます。空気を混ぜるように上下にしっかりと混ぜる事で発酵が進みます。早ければ1日経ったくらいにシュワシュワした泡のようなものが出始めます。
(ちなみに、かき混ぜる時はスプーンでも手でもどちらでも・・・衛生を重視したい方はスプーンで混ぜてください。しかし、不思議な事に手で混ぜたほうが早く発酵するんです・・・表皮に住む常在菌などの作用が働いていると言われていますが、真偽は不明です。手で混ぜる時は自己責任でお願いします。)
⑤ 気温が15~25度くらいの春や秋ならだいたい1週間程度で完成。気温が30度を超す夏場は発酵が早く進むので様子を見て冷蔵庫保存してください。また、気温の低い冬場は発酵が進みにくいので、コタツに入れたり、暖房機の近くに置くなどしてあげると、発酵しやすいです。
酵素はあまりに高温(60度以上)になるとその作用を失います。(失活という)発酵が進むから・・・とあまり高い温度で温めたりするのは失敗の原因となります。
酵素の最適温度は30度~40度(つまりは体温くらい)と言われています。
酵素ジュース使い方
さて、完成した酵素ジュースですが、オススメの使い方をご紹介します。
ポイントは、活きた酵素を取り込む為に加熱しないことです。
ソーダで割ってソーダジュースに
一番簡単な酵素ジュースの取り入れ方は、炭酸で割って飲む事!!
砂糖の入っていない炭酸水で割ってください。
割り方は甘さなど自分のお好みでOKです。
ちなみに、画像は野草で作った酵素ジュース。発酵させたあと、野草を濾して取り除いているのでこんな感じの仕上がりになります。
ヨーグルトに入れて楽しむ
こちらも簡単。プレーンのヨーグルトに砂糖の代わりに酵素ジュースを入れます。ヨーグルトに入れたりするなら、実が少し残っていても気になりませんよね。加熱しないで食べられるというのも大きなポイントです。
砂糖の役割と適量
「いちごジャムの作り方」の記事でも紹介しましたが、
砂糖には周りから強引に水分を奪って抱え込もうとする作用(脱水性)と一度奪った水分は抱えて離さない。という作用(保水性)があります。
ジャムはこの砂糖の脱水性と保水性を利用して食品の腐敗を防いでくれているのですが、
酵素ジュースの場合は、中の成分を壊さずにエキスを引っ張り出すということになります。
植物中の水に溶けている成分を浸透圧で抽出するという理屈です。浸透圧を利用する・・・ということは、当然、利用する砂糖の量が多い方が浸透圧が高くなります。
その為、酵素ジュースでは材料の1.1倍。というとても多い量の砂糖が必要となるのです。
また、ジャムと同じ理由で砂糖に漬けている方が腐りにくいという利点もあります。
濃度の違う液体が細胞膜のような半透膜で仕切られていると、膜の両側の濃度が等しくなるように、水は濃度の濃い液体の方へ移動します。この現象を「浸透」といい、浸透していく力を「浸透圧」といいます。
さて、そんな浸透圧を利用した酵素ジュース。
健康にいいとはいえども、やはり砂糖を大量に使っているので
一日の摂取量には気をつけなければいけません。
酵素ジュースにしても、砂糖は砂糖です。
砂糖は1g約4kcalというエネルギーがあります。
それをふまえて酵素ジュースのを飲む量は、1日30mlくらいまでにしておく。というのが丁度良いのかな。と思います。(30mlならだいたい120kcal)
そもそも酵素って何?
酵素は私たちの体の中で、生命維持の為にさまざまな化学反応が起こっています。それぞれの反応を引き起こすために触媒として必須のたんぱく質が酵素です。
例えば、消化。
ごはんやパンなどに入っている炭水化物は消化によってブドウ糖という物質に分解されます。
その分解の仕事をおこなっているのはアミラーゼという酵素です。
そしてアミラーゼには、たんぱく質を分解する能力はありません。たんぱく質を分解するにはまた別の酵素が必要になります。
このように、酵素はある特定の作用しかしません。自分の仕事のみキッチリするタイプのたんぱく質です。
体内のさまざまな反応を行うために、体内には何千という種類の酵素が存在しています。
そんな、酵素は簡単に分けると「消化酵素」と「代謝酵素」の2種類にわけられます。
消化酵素
食べたものを消化して、吸収できるように食べ物を分解・消化するために使われているのが「消化酵素」です。主に消化管(口・胃・腸 など)で働いています。
脂っこいものを食べたりすると、消化酵素を多く消費してしまいます。
また、ストレスでも多く消費されます。
身体が1日に作り出せる酵素の量は決まっている。と言われています。
1日分の酵素を「消化」にばかり使うと、その分「代謝」に回せる酵素が少なくなってしまうと考えられています。
代謝酵素
吸収した栄養を効率的に働かせるために使われているのが代謝酵素です。
ざっくり言うと(かなりざっくりですが)消化に使われる以外に使われる酵素を「代謝酵素」と呼びます。
筋肉や内臓などの身体の組織をつくるのにも必要です。
老化を抑制し、健康な体でいられるのは、この代謝酵素のおかげといっても過言ではありません。
また、ほとんどの酵素がよく働く温度帯(至適温度)が37度前後。だということを考えても「体温の高い人は病気をしにくい。」ということの理由がわかります。
食物酵素をとって潜在酵素を節約!
食物酵素とはズバリ、食物に含まれている酵素です。
潜在酵素と食物酵素
潜在酵素・・・私たちがもともと体で作り出している酵素。
食物酵素・・・外部から食事で取り入れる酵素。
一般的にジュースやサプリでうたっている「酵素」とはこちらの酵素のことを言います。
食品と一緒に酵素をとることで、消化を助けて(自己消化)体内の消化酵素を節約しようという考え方です。
食物に含まれる酵素を取ってその力を利用することで、体内の潜在酵素の無駄遣いを防ごうとするのが
酵素食品の役割なのです。
季節に合わせて作るのがオススメ
先日、野草酵素ジュースなるものを習いに、奈良県明日香村に行ってきました。
(ヨモギ・イタドリ・ハルジオン・アップルミントetc・・・と、さまざまな春の野草の新芽を摘み、)
(レモンやイチョウ・柿・ビワetc・・・の木の新芽も摘み、)
(春の野草がたっぷり入った野草酵素ジュース。)
その時に教えてもらったのが、「その季節にできる旬のものを使うと身体が喜ぶ。」ということ。
春は、春に生えてくる野草の新芽を使った野草ジュースを。
いちごの旬にはいちごジュース。
初夏の梅の実が実る時期には梅のジュースを。
といた具合にその時期に出回るものを使って色々試してみると面白いですよ。
酵素初心者にオススメフルーツはこれ!
さて、季節のものが良いといっても、酵素ジュースに向き・不向き。といったフルーツがあるのも事実です。
初心者におすすめフルーツはこちら
キウイ・パイナップル・・・南国フルーツは持っている酵素がとっても元気。失敗しにくいので初心者にオススメ。
いちごなどベリー系・・・香りが高く、みんなが好む味に仕上がります。
レモンなど柑橘系・・・柑橘系も自身の持っている酵素が元気なので失敗しにくいです。(皮は農薬の心配があるので、できれば取りましょう)
一種類のフルーツではなく、何種類か混ぜても楽しいですね。
まとめ
フルーツ酵素ジュース。いかがだったでしょうか。
思ったより簡単に作れそうだと思いませんか?
好みのフルーツと砂糖で簡単にできて、美味しく、なおかつアンチエイジング効果が期待できる!
魅力的な食品だと思いませんか?
砂糖がたくさん入っているので、飲みすぎにだけは気を付けて、酵素ジュース生活を楽しんでくださいね。