春の果物の代名詞・いちご。
子どもや女性に大人気で、好きな果物の1位にあげられる事も多いはず。
春にいちごのスイーツやいちご狩りなどを楽しむ人も多いのではないでしょうか。
今回は春の味覚いちごについてご紹介していきます。
この記事で分かること。
いちごの本当の旬・見分け方・種類・栄養価などいちごの基本と、最後に簡単ないちごジャムのレシピをご紹介します。
いちごの基本
いちごは、江戸時代後期にオランダによってもたらされた果物です。従来は5月~6月ごろ出回る果物でしたが現在では、ハウス栽培や輸入物のおかげで年中手に入ります。
いちごの旬・買う時のポイント
旬はハウス物が12月~4月。露地物が5月~6月。輸入物が6月~10月となります。
買う時は、ヘタの緑が濃く乾燥していないもの。つぶつぶがくっきりしているもの。赤色が鮮やかで傷のないものを選ぶようにします。
いちごを洗う時は、ヘタを取る前に洗うのがポイント!
水っぽくならずにすむだけでなく、ビタミンCの損失も防げます。
小粒でも実力派!いちごの栄養
いちごには、ビタミンC・葉酸・食物繊維など女性にうれしい成分がたくさん含まれています。
- 一日10粒で必要量のビタミンC
- 果物の中で葉酸の含有量はトップクラス
- 手軽にとりやすいカリウムや食物繊維
- ちゃっかり含まれているキシリトール
一日10粒で必要量のビタミンC
コラーゲンの生成にかかわっているビタミンC。
抗ストレスビタミンとしても知られていて、ストレスがかかった時にはビタミンCがたくさん消費されます。
他にも、免疫力を高める役割をになっていたり、高い抗酸化力も持っています。
ビタミンCには、美肌つくりから、アンチエイジングまでさまざまな効果が期待できます。
そんなビタミンCには、熱に弱く水に溶けやすいという、やっかいな性質があります。
しかし、いちごのようにフルーツを生で食べることにより効率よくビタミンCを取ることができます。
いちごは、そんなビタミンCの含有量がフルーツの中ではとても高く、100g中に62mgもふくまれています。
それは、だいたい1日に10粒ほどのいちごを食べれば一日の必要量が取れてしまうほど!!
いちごの季節には積極的に生のいちごを取るようにしましょう。
果物の中で葉酸の含有量はトップクラス
ビタミンB群の仲間である葉酸。
女性では、妊活や、妊娠中の胎児、授乳中のお母さんと赤ちゃんの発育に必須の栄養素としても有名です。
また、DNAの合成や赤血球の生成もサポートしています。
「葉酸」という名前の通り、葉っぱ系の野菜(ほうれん草・菜の花・ブロッコリー)などに多く含まれていますが、果物にだけ絞ると、いちごは葉酸の含有量がトップクラス!!
いちご100gには葉酸が90μg含まれています。
ほうれん草などに比べると少ないですが、いちごは調理せずに手軽にとれるというのが大きな魅力です。
手軽にとりやすい食物繊維
食物繊維は、腸を刺激して腸の蠕動運動を活発にてくれ、さらに、便の量を増やしたり、便の排せつを促したりする効果もあります。
それに加えて、食物繊維は腸内細菌が大好きな餌!!腸内の善玉菌が活発に働くことで、腸内環境を良好に整えてくれて、しつこい便秘の解消はもちろん、体の不調の改善も期待できます。
また、食物繊維には水溶性と不溶性の分類があります。
水溶性食物繊維には、血中のコレステロール値を下げ、善玉コレステロールを増加させる働きがあるといわれいます。
いちごに多く含まれるのはペクチンなどの水溶性の食物繊維。
なんといちご100g中には1.4gの食物繊維が含まれていて、バナナよりも多いんです。(バナナは100g中1.1g)
手軽においしく食物繊維がとれるというのは、うれしいですね。
ちゃっかり含まれているキシリトール
ガムなどでお馴染みの成分。キシリトール。
虫歯予防の効果が期待されていることで有名です。
いちごには、天然のキシリトールがたくさん含有されています。
間食に、チョコレートやケーキなどを食べている方は、
虫歯予防の観点から、間食をいちごに変えてみる。というのも賢い選択かもしれません。
いちごの旬は?
いちごの旬は?と聞かれた時、あなたはどう答えますか?
5月?それとも3月?はたまた12月でしょうか?
実はそのどれもが正解です!
ビニールハウス栽培や、輸入などが当たり前の現在、「旬」にもいろいろな種類の考え方が生まれています。
色々な「旬」とは!?
いちごにかぎらず、最近の食材の「旬」には4つの考え方があります。
- 関心が高い時期
- おいしい時期
- 出荷量が多い時期
- 植物が本来生育しやすい時期
関心が高い時期
・商品のインパクトがある。
・高く売れる
おいしい時期
・野菜の種類や時期により期間が短い
・おいしいの基準があいまいで人によって違う。
出荷量が多い時期
・食材の確保が容易で価格が安定。
・世の中の主婦・主夫の方たちが一番買いたい時期。
・食材としてのインパクトがない。
植物が本来生育しやすい時期(本来の旬)
・露地物の最盛期。
・薬膳などでいう「旬」はこの時期にあたる。
・地域によって異なる。
いちごを例にとってみていきましょう。
関心の高い時期 → クリスマス時期
おいしい時期 → 1月~2月(ハウス物なので甘い)
出荷量が多い → 3月~4月(一番安いので買い時)
植物の本来の旬 → 5月(露地物はどちらかといえば酸味が強い)
このように、いちご一つとってもさまざまな「旬」があります。
一年で一番甘い、いちごを狙うなら2月。ジャムを作るなら5月。
といったように、用途によってうまく「旬」を使い分けてくださいね。
代表的ないちごの種類と特徴
いちごは品種改良が盛んであるとともに、近年ではより甘く、より大きいいちごが求められる傾向にあります。
毎年新しい品種が各地でどんどん出てくるため、毎年、地元の道の駅などでチェックするのも楽しいですよ。
いちごの品種の名前と特徴まとめ
いちごの名前 | 主産地 | 特徴 |
あまおう | 福岡産 | 「甘い・丸い・大きい・うまい」の頭文字から名づけられた。 大粒で糖度が高く、酸味もある。 |
とよのか | 福岡産 | かつては九州など温暖な地域で隆盛していた西日本を代表するいちご。 甘さと酸味のバランスがよい。 「豊かな香り」と書いてとよのかと呼ばれるほど、香り高い。 |
とちおとめ | 栃木産 | 東日本で一番流通している品種。いちご界でも一番有名かもしれない。 甘みが強く、日持ちがよい。 |
アイベリー | 愛知産 | 大粒で高級品種の代表ともいえる品種。 糖度が高く、芯まで赤い。高級の名に恥じないバランスの取れたいちご。 |
章姫(あきひめ) | 静岡産 | 形が他のいちごより長細いのが特徴。果肉がやわらかくて甘い。 やわらかいがゆえに輸送にむきにくいため、近年、紅ほっぺに押されがち。 |
紅ほっぺ | 静岡産 | やや大粒で、ほどよい酸味とコクが魅力。 果肉もほどよく硬いので輸送にもむく。 |
古都華(ことか) | 奈良産 | 香りが豊かで甘味が強く酸味とのバランスもよい、濃厚な味わい。 果肉はしっかりしていて歯ごたえがあり、日持ちもする。 シーズンを通して酸味が安定している。 |
あすかルビー | 奈良産 | ほどよい甘みと酸味のあるいちご。 果肉はかためだが果汁が多くて香りも良い。 近年は同じく奈良産の古都華に押されがち。 |
まりひめ | 和歌山産 | 甘味が強く酸味はひかえめ。果汁が多く歯ごたえもよい。 大粒で収穫量が多く、生産者にやさしいいちご。 |
簡単いちごジャムレシピ☆
いちご(酸味の強いもの)・・・300g
グラニュー糖・・・150g(砂糖は上白糖でもよい)
レモン汁・・・小さじ1程度(ポッカレモンでOK)
※砂糖の量は、いちごの重量の50パーセント(半分)です。
いちごジャム作り方
①まずいちごを計量します。(材料には300gグラムと書いてありますが、そうそうピッタリにはならないので計量をして、重量の半分(50%)の重さの砂糖を入れる。と覚えた方が楽です。)
②ジャムには小粒で酸っぱいやつの方が向いています。(5月~6月に出回る露地物がピッタリ)
③今回は222グラムだったので、その半分111gの砂糖をいちごと一緒にお鍋に入れます。
いつ見ても、すごい量です。「さすがにこの砂糖の量はちょっと・・・」と思う健康志向の方は、甘さ控えめに砂糖を減らしてください。(いちごの重量の4分の1くらいまでなら減らせるかも。)
ただ、砂糖をあんまり減らすと果物を砂糖漬けにして腐りにくくするという保存食の意味が薄れてしまいますので注意が必要です。
食べ物を腐らせる原因である、細菌は水分があると繁殖しやすくなります。
ジャムは砂糖がもつ食品の水分を奪って離さない。という作用(保水性)を利用して作られています。砂糖を大量に加えることによって、細菌が繁殖しにくくなるというわけです。
砂糖控えめにしたジャムは、保存効果があまりないので、早めに使い切るようにしてくださいね。
④鍋のままできれば、1~3時間置いておくと、イチゴの水分が染みだしてきます。
このままでも美味しそう…
⑤いちごの水分が出たら、中火にかけていちごを煮詰めていきます。
⑥煮ているとあくが出るのでたまに取りながら、水分が半分程度に煮詰まってきたら、火を止めて、レモン汁を入れます。
煮詰り具合が分かりにくい場合は、お水にジャムを一滴たらしてみましょう。水の中で広がらずに底まで落ちたらOKです。
レモン汁がない場合は柑橘類なら何でも大丈夫です。
⑤いい感じにとろみがついたら完成です!清潔な容器に移してフタをしてから冷まします。
パンはもちろん、ヨーグルトや肉料理なんかにも使えます。
いちごまとめ
いちごのお話。どうだったでしょうか。
可愛くておいしいだけじゃない。いちごの魅力がお分かりいただけたでしょうか。
いちごには、ビタミンCや葉酸、食物繊維などの栄養がたっぷりと入っていて風邪予防にも最適です。
温室栽培や品種改良などにより、秋から翌年の初夏まで楽しめる果物になったいちご。
季節の「旬」の良さを生かして、美味しく食べてくださいね!!