腸活

日本人に一番馴染みのある発酵食 味噌 のあれこれ

世界文化遺産に登録されている「和食」

その和食の中で一番馴染みのある発酵食品が「味噌」と「しょうゆ」なのではないでしょうか。
どちらも大豆を麹で発酵させた発酵食品で、私たちの食卓に欠かせないものです。

この記事では「味噌」「しょうゆ」の二つのうちの「味噌」にスポットをあてていきます!

普段何気なく使っている「味噌」の基本知識や、市販のお味噌の選び方、
そして最後に簡単レシピをご紹介します。

味噌を知って、発酵ライフを効果的に楽しみましょう!

味噌の基本あれこれ 

まずは、味噌の基本からです。


味噌は、蒸した大豆に麹と塩を加えて発酵させて作られる日本人にはおなじみの発酵食品です。

味噌の歴史はとても古く、奈良時代の大宝律令にはすでに「未醤(みそ)」という調味料が記載されていたというからおどろきです。大仏の時代には、もう味噌の原型があったんですね。
庶民の口に入るのようになったのは戦国時代に入ってからのようですが、現在でも全国各地に特色のある味噌が残っています。

味噌の種類と特徴

味噌にはさまざまな種類があります。使う麹の種類によって味わいや色もさまざまです。

種類原料名称
(甘辛味)
特徴や産地
米味噌米麹
+大豆+塩
白みそ
(甘口)
大豆に対して米麹の割合が多い。短期間で熟成させた色の薄い味噌。
大豆を煮た煮汁は分離する。
塩分が少なく甘みが強い。魚を漬けたり、椀物に最適。
京都の西京味噌が有名。
赤味噌
(甘辛)
もっとも一般的な味噌。大豆の煮汁もすべて利用してつくる。
山吹色に近い明るい色。信州みそなどが有名。
赤味噌
(辛口)
長期熟成してつくる赤みのある味噌。
塩分が高めで辛口
うま味や香りも強い。仙台味噌が有名。
豆味噌豆麹
+大豆+塩
赤味噌
(辛口)
大豆に直接麹菌を混ぜて発酵させて作る。
長期熟成のため赤褐色で強いうまみがある。
水分が少なく独自の濃厚な風味がある。
八丁味噌などが有名。
麦味噌麦麹
+大豆+塩
赤味噌
(甘辛)
米麹のかわりに麦麹で作る味噌。
麹の割合が多く、淡い色合いで短期熟成の甘口が多い。
麦の粒の中央に黒っぽい筋がある。
九州・四国・中国地方でよく作られている。
味噌の種類をざっとまとめてもこれだけの種類があります。
昔は、各家庭に手作りの味噌があってそれを自慢したことから、自画自賛することを「手前味噌」というようになったそうです。面白いですね。

味噌の種類一覧
(参考文献「最新食品学各論」三共出版 「Drクロワッサン腸内環境を強くする」マガジンハウス)

3つの菌のトリプルパワーで熟成される味噌

バリエーション豊かな味噌ですが、どの味噌も基本は大豆を麹菌で発酵させたものです。
発酵が食品にどのような良い変化をあたえるのかをみていきましょう。

米味噌のつくりかた

味噌の原料の大豆には、豊富なたんぱく質が含まれています。

また、デンプンも多くふくまれています。

そのたんぱく質やデンプンを、米麹のなかのこうじ菌が、アミノ酸分解して独自のうまみをつくりだしてくれるのが発酵です。


さらに、製造過程で入り込んだ酵母菌や乳酸菌が、分解された糖を養分にして活発に働きます。
酵母菌が働くことによってアルコールが生成。それが味噌特有の豊潤な香りの元となります。


そして、味噌の熟成を深いものにしてくれるのが乳酸菌
乳酸菌は酸の力で雑菌の繁殖を抑えて酵母の働きを助けるとともに、乳酸菌の酸味が味噌の味に奥深さをくわえてくれます。

味噌は3つの菌「こうじ菌」「酵母菌」「乳酸菌」のトリプルパワーで熟成されていく発酵食品です。

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味噌の効能を3つご紹介

味噌は3つの菌の力で発酵・熟成されていきますが、栄養の面でも注目するべき点が多くあります。
栄養面でのトリプルパワーはこの3つ!!

  1. 日本人におすすめのたんぱく質補給食品になる
  2. 大豆イソフラボンは女性の味方になる
  3. アンチエイジング効果も期待がもてる

詳しくみていきましょう。

1,日本人におすすめのたんぱく質補給食品になる

味噌の主な原材料である大豆。
大豆には豊富なたんぱく質が含まれています。

味噌に含まれれるたんぱく質は、こうじ菌の作用により、ペプチドやアミノ酸に分解されています。
そのため、大豆をそのまま食べるよりも消化がよくなっています。
胃腸が弱っている時などは、味噌汁を飲むと良いと言われるのはそのためです。

また、米飯食が基本の日本人にとっては、たんぱく質の利用効率を高めてくれる。という効果もあります。

ここから、少しだけ専門的なお話になりますが・・

たんぱく質の話は興味ないんで・・・という方は「味噌が米飯食中心の日本人のたんぱく質の利用効率を高めてくれる。」とだけ認識して、あとは、読み飛ばしてくださいね。(笑)

さて、食品中のたんぱく質が分解されてできるアミノ酸。
そのアミノ酸の中には、人間が必ず食事からとらなければならないアミノ酸があります。

それを必須アミノ酸といいます。

必須アミノ酸(体のたんぱく質を合成しているアミノ酸のうち、人間の体の中で合成できないので、外から摂取しないといけないアミノ酸のこと)

バリン・ロイシン・イソロイシン・リジン・メチオニン・フェニルアラニン・スレオニン
トリプトファン・ヒスチジン

の9種類。

特にバリン・ロイシン・イソロイシン の3つは、BCAAとしてアスリートには有名。

(筋肉にたんぱく質に多くて運動時エネルギーとしても利用される)

ただ、一般の人が普通の食生活をしていれば不足することはないので、
特に覚える必要はありません(笑)

この必須アミノ酸適切な割合で含むものが「良質のたんぱく質食品」と言われます。
肉や卵、牛乳・魚・大豆などがそれにあたります。

日本人の主食であるはどうでしょうか。
米にも、もちろんたんぱく質はふくまれていますし、米は日本人の体質に合った素晴らしい穀物です。
しかし、米には、一部の必須アミノ酸が少ないために、肉や卵などに比べるとたんぱく質の質が劣ってしまうという欠点があります。

しかし、米と合わせて大豆食品を一緒に食べると、米に不足するアミノ酸を大豆が補ってくれて、食事のたんぱく質が「良質」になるという現象が起こります。

これは「アミノ酸の補足効果」と呼ばれるものです。

味噌を使う事で白米に不足するアミノ酸を補いながら、なおかつ発酵パワーも取り込めるというわけです。

日本人の代表的な食事である白米+味噌汁は最強の組み合わせと呼んでもいいのではないでしょうか。

2,大豆イソフラボンは女性の味方

大豆には、イソフラボンという成分が含まれています。

その成分の名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

イソフラボンは女性ホルモン「エストロゲン」似た作用があって、骨量を保ったり、美容や健康維持に効果を発揮します。
イソフラボンは大豆の胚芽に含まれている成分なのですが、味噌に含まれるものは酵素で分解されることによってその効果が増した状態に変化しています。

とってもうれしい変化だと思いませんか?

女性は大豆食品食品である味噌を積極的にとることをオススメしたいと思います。

3,アンチエイジング効果も期待がもてる

大豆のたんぱく質が分解されることによって生まれる大豆ペプチドには抗酸化作用があると言われています。

そして、味噌が熟成していく過程で生まれる、褐色の色素メラノイジン
このメラノイジンには、大豆ペプチドと同様に抗酸化作用があるといわれています。
メラノイジンは濃い色の味噌に特に多くふくまれており、近年注目をあつめています。

日常で味噌を取り入れてアンチエイジング効果をねらってみてはどうでしょうか。

このように味噌にはさまざまな栄養効果があります。
毎日、適量の味噌を食べてその効果を取り入れていきましょう。

味噌はとてもすぐれた効果をもつ発酵食品ですが、塩分が高いという欠点もあります。
適量を守って使っていきましょう。

市販品の選び方

さて、味噌の良さが分かってきたところで、どんな味噌を買えばいいのか気になりませんか。
スーパーなどにいけば、多種多様の味噌が売られています。
沢山あると、どれを買うのか悩んだりしますよね。

そこで、どんな所に注目して味噌を選べばいいのかを解説していきたいと思います。

味噌を選ぶポイント

  • 自分の好みの味噌を知っておく
  • 原材料がシンプルなものを選ぶ
  • 菌の力を利用したい場合は容器の蓋に呼吸口があるものを選ぶ

まず、自分の好みや、やりたい料理にあった味噌を選ぶ。という事が大切です。

この記事の「味噌の種類と特徴」などをみて、米味噌か、豆味噌か。
甘口がいい。とか辛口が好み。など、自分の好みを知りましょう。

味噌は地域差が大きなものです。
生まれ育った環境で好みが大きく変わります。自分の好みの味をぜひ見つけてみてください。

次に見てほしいのが、味噌の裏面。
材料などが書かれた場所です↓

(今回はマルコメさんの商品を使ってます。)

裏の原材料名は、「多いものから記載する」というのが表示のルールです。
この商品は「米・大豆・食塩」となっているので、この味噌は米麹の割合が一番多い事になります。
米麹が一番多いということは、ちょと甘口なのかな・・・
なんて想像できますね。
商品によっては、酒精やだし、アミノ酸(うま味調味料)といったものが入っているものもあります。


味噌の純粋な風味を味わいたい場合は、大豆と米麹(豆麹・麦麹)と塩。といったシンプルな基本の材料だけを使った商品を選ぶと良いと思います。

また、容器の蓋に注目してみると、商品の中には呼吸口と書かれた小さな穴があいているものがあります。その穴は、菌が呼吸をして容器が膨張するのを防ぐためのもの。
菌が味噌の中でまだ生きているということなので、発酵パワーをと入りれたい場合は呼吸口のあるものを選ぶと良いですね。

以上、味噌を選ぶポイントでした。味噌を買う時の参考にしてみてくださいね。

割合で覚えるカンタン☆田楽みそ


一番シンプルで簡単な味噌料理はやはり味噌汁です。・・・が、
味噌汁以外にも味噌は色んな料理に活躍します!


色んな料理がありますが、味噌が主役で、子どもにも受け入れられやすい簡単なものを1つご紹介します。

田楽みそ 材料(4人分)

赤味噌     50g
砂糖      50g
出汁+酒    50g (出汁25g 酒25g )

子どもも大好き田楽みそ
割合で覚えれば応用がきいてとっても簡単につくれますよ☆

割合で覚える 田楽みそ


赤味噌:砂糖:酒+出汁 = 1:1:1

白味噌:砂糖:酒+出汁 = 1:1/2:1

田楽みその割合は超シンプル!!
酒と出汁は好みで割ってもらってOKです。迷ったら半々でいきましょう!

作り方

① 赤味噌と砂糖と出汁+酒をまとめて鍋に入れる。
② 中火で煮詰めながら焦げないように混ぜる。
③ 全体にツヤが出てきたら火を止める。
④ あら熱がとれてマヨネーズくらいの硬さになっていれば完成!

※ 熱いときにサラサラしていても冷めれば硬くなるので一度、冷まして様子をみるのがポイントです☆

出来上がった田楽みそは、焼いたナスに塗ったり、豆腐にからめたり・・・と色んな使い方ができます。
我が家の子ども達も大好きで、作っているそばから味見と称して舐めまくってくれます・・・”(-“”-)”

味噌 まとめ

味噌の世界。いかがだったでしょうか。

私たちが普段何気なく使っている味噌はとても素晴らしい発酵食品です。

レシピをご紹介した田楽みそや、一番なじみのある味噌汁。
それ以外にも、味噌漬けや、酢味噌和えなど。味噌を使った料理はたくさんあり、そのどれもが発酵パワーの恩恵をうけることができます。

それに、味噌は発酵調味料の中で比較的簡単に作ることができます。
自家製味噌にチャレンジしてみるのもいいですね。

発酵食品の保存には、酸や塩分に強くて匂いが移らないホーローの容器が最適ですね。
出来上がった自家製味噌の保存に最適!
ホーロー容器はこちら↓


2Lはいるので、手作りの味噌に最適な大きさです。

実は私は琺瑯が大好きで、隙あれば集めたいと思っています。
完全に自分の趣味ですが、オマケとしてもう少し琺瑯をご紹介。

次は、琺瑯好きなら1つは手に入れたい野田琺瑯のスクウェアシリーズ。
先ほどの二つの商品と違って容量の少ないタイプです。
手軽につかったり、一人暮らしにはこのサイズぐらいがちょうどよいかもしれません↓

「Mサイズで0.8リットル」「Lサイズで1.2リットル」
市販のものをお洒落に移し替えるのに最適なサイズ感。
野田琺瑯は見た目も美しくてお洒落なのが良いですね。

市販の味噌でも自家製味噌でも、どんどん活用して発酵ライフを手軽に楽しんでくださいね!!