6月に入って梅雨の季節となってきました。
そんなジメジメした季節には酸味のある飲み物が最適です。
柑橘系のドリンクもオススメなのですが、今回は梅をつかった梅酵素ジュースのご紹介です。
梅ジュースの作り方、注意点、アレンジなどを説明していきます。
本当に簡単☆梅酵素ジュース 作り方
梅 ・・・ 2Kg
砂糖・・・ 2.2Kg(できれば上白糖)
梅をつけられる容器(4キロ程度のもの)毎日かき混ぜるので、できれば口は広い方がよい。
※今回、梅を2キロとしましたが、別に1キロでも3キロでもOKです(笑)梅の量に合わせて砂糖の量を調整してください。(砂糖の量は梅の1.1倍)
酵素ジュースをつくる場合、材料の砂糖は、できれば上白糖やグラニュー糖などの精製された砂糖を使用するようにしましょう。
黒砂糖やきび砂糖などの未精製の砂糖は、ミネラル分などを多く含むのでそれらが発酵の妨げになってしまい、上手く発酵しなくなる可能性があります。
ただし、絶対に上手くいかない。というわけではないので、上白糖にアレルギーがあるような方はきび砂糖やてんさい糖などを使用してもOKです。
なぜ砂糖の量がこんなに多いのかは、以前の記事「手作り発酵ジュースの作り方」を参考にしてください。
明日香村で摂れた梅2Kg。梅のとってもいい匂いがします。今回はこれを使っていきます。
梅酵素ジュース・作り方
① まず、清潔な瓶の底に砂糖を敷き詰めます。(次の日からかき混ぜるので、そんなに神経質にならなくてもOKです。)
② その上に、梅を敷き詰めます。そして、敷いた梅の上にさらに砂糖をかぶせていきます。やり方としては、砂糖と梅を交互に敷き詰める、地層のような、または、ミルクレープのようなイメージです。
③ さて、梅を敷き詰める際に活躍するのが、「梅割り器」。梅を挟んで割ることのできる便利な器具です。
梅を割って入れる事で、梅の細胞を壊してエキスが出やすくなります。
ちなみに「梅割り器」はホームセンターなどで800円程度で購入できます。
梅を割ったら容器につめていきます。(もちろん、梅割り器がなければ、丸のまま入れればOKです)
④ 分量の梅と砂糖を全て入れたら、とりあえずその日の作業は終了です。
⑤ 次の日くらいになると、梅から水分が出てくるので、1日に1回必ずかき混ぜます。空気を混ぜるように上下にしっかりと混ぜる事で発酵が進みます。早ければ1日経ったくらいにシュワシュワした泡のようなものが出始めます。
⑥ 梅が出回る季節ならだいたい1週間程度で完成です。ザルにあけて梅を除き、さらに不織布などでゴミを濾して容器に移し替えます。
奥がしっかりと濾した梅酵素ジュース。手前左はハーブ入り。手前右は種を抜いた梅をさらの漬けて風味を濃くしています。
⑦ 出来上がった酵素ジュースは常温で保存できます。炭酸水で割ったりして楽しみましょう。
梅は、他にもこんなものに漬け込めます
酵素ジュースの原理は、浸透圧を利用して梅の中の酵素やエキスを引っ張り出すということです。
なので、砂糖やアルコールにかぎらずに、塩分の高いものを使えば同じように浸透圧でエキスを引きだすことが可能です。
濃度の違う液体が細胞膜のような半透膜で仕切られていると、膜の両側の濃度が等しくなるように、水は濃度の濃い液体の方へ移動します。この現象を「浸透」といい、浸透していく力を「浸透圧」といいます。
そんな原理を利用して、梅の味噌漬けやしょうゆ漬けをつくってみましょう。
夏にピッタリの酸味のある調味料になります。
梅の味噌漬け
作りやすい分量
梅(黄熟したものがよい)・・・1個
みそ(信州みそくらいがよい)・・・100g(半カップ)
①梅をやさしく水であらってから、水気をふきとり、竹串などで梅のへこんでいる部分にある黒い部分(なり口)を取り除く。
②「梅割り器」で梅を割るか、もしくは竹串などで表面にまんべんなく穴をあける。
③清潔な容器に味噌を半量ほどを入れて上から梅を押し込む。
④押し込んだ梅の上に残りの味噌をかぶせて冷蔵庫で保存する。
⑤約1ヵ月、梅が味噌の中でグズグズになったら種を取り除いて味噌と梅を混ぜてから使用する。
※冷蔵庫で1年ほどもつ。
梅のしょうゆ漬け
作りやすい分量
梅(黄熟したものがよい)・・・2個
しょうゆ・・・1カップ程度(容器に合わせて適量)
①梅をやさしく水であらってから、水気をふきとり、竹串などで梅のへこんでいる部分にある黒い部分(なり口)を取り除く。
②「梅割り器」で梅を割るか、もしくは竹串などで表面にまんべんなく穴をあける。
③清潔な容器に梅を入れて、しょうゆを注ぐ。
④冷蔵庫で保存し、2週間後から使用できる。
⑤梅は1~2か月で取り出しておく(それ以上漬けるとエグみがでる為)
※しょうゆをめんつゆなどに代用しても美味しい。梅のめんつゆでそうめんなどを食べるのもオススメ!
梅ハーブシロップ
こちらは、浸透圧などは関係なく、できあがった梅酵素ジュースにハーブを入れる。というやり方で作ります。
作りやすい分量
梅酵素ジュース・・・1カップ程度
シナモン・・・1本(粉なら小さじ1/4程度)
クローブ・・・5~8粒(粉なら小さじ1/4程度)
①できあがった梅酵素ジュースの中に、スパイスを漬け込む。
②1週間程度でスパイスの風味が梅ジュースに移るので、炭酸水などで割って楽しむ。
梅の基本情報
「東風(こち)吹かば にほひをこせよ 梅の花 あるじなしとて 春なわすれそ」と
平安時代の悲劇の政治家である菅原道真公が歌に詠んだほど、梅は古くから栽培されてきました。
しかし、意外にも梅が果樹として幅広く栽培され始めたのは明治時代以降だといいます。
梅の旬は他の果実と比べるととても短いので、スーパーなどでフレッシュな梅を見かけたら迷わず買う事をオススメします。
梅の旬・買う時のポイント
初夏に最盛期を迎える梅の旬は やはり6月。
買う時は、果実がふっくらとしていて、皮にハリがあり傷のないものを選びます。
梅には、青梅や黄色みを帯びた完熟のものなどがありますが、用途によって向き不向きがあります。
青梅・・・梅酵素ジュースや、梅酒、梅ジャムなど。熟し具合によって味も変わります。
熟してきた黄梅・・・梅干しや梅ジャム、梅シロップなど。
梅は初夏に最適な果実
梅には、カリウム・鉄・カロテノイド(体内でビタミンAの働きをする)・ビタミンEなどが含まれています。
しかし、梅の魅力は何といってもその酸味。
梅特有のさわやかな酸味の正体は梅の主成分であるクエン酸。
その他梅には、リンゴ酸などの他の有機酸も含まれています。
クエン酸には、疲労回復効果が高く、神経疲労の回復にも期待できます。
湿度や気圧が変化して体調を崩しやすい初夏の時期におススメの食材です。
それ以外にも、有機酸には殺菌・防腐効果もあります。夏場の食中毒の予防にも効果があります。
また、水分代謝を整えて消化を促し、食欲を高める効果もあるので、梅雨のジメジメした季節に積極的に取るようにすれば、夏バテの予防にも効果的です。
梅食うとも核(さね)食うな。の意味
梅にまつわることわざに「梅食うとも核(さね)食うな、中に天神寝てござる」という面白いものがあります。
これは、梅の種の中には毒があるから食べてはいけませんよ。という意味のものです。
ちなみに、天神とは、私、菅原道真のことですよ。
梅に関りが深いので、ことわざにも使われたんですね。
実際に、未熟な青梅や、梅の種の中にはアミグダリンという配糖体が含まれていて、これを多く食べると分解されて青酸を生じ、青梅の食中毒を起こすことがあるようです。
生で食べると危険なアミグダリンですが、果実の成熟・塩や砂糖または、お酒に漬け込む。酵素で発酵する。加熱する。といった加工をすることによってほぼ消失します。
梅酵素ジュースや梅干しなどといった加工品を食べる分にはまったく問題はありません。
梅・まとめ
梅酵素ジュースや梅のお話、いかがだったでしょうか。
初夏に最盛期をむかえる梅はやはり初夏に食べるのが一番です。
梅の加工品の代表である梅干しは、美味しいですが、ちょっとひと手間必要です。
しかし、梅酵素シロップなら、手軽に作れて手軽に味わう事ができます。
また、梅シロップをつくるときに、梅を数個取り分けて梅しょうゆや梅味噌をつくれば、さらに梅の愉しみが広がります。
梅しょうゆは、焼き魚にかけたり、冷ややっこにかけたりすると美味しいです。梅味噌は、そのまま野菜スティックにつけたりしても良いですね。
梅雨のジメジメを乗り切るために、また、来るべき夏の暑さにそなえて、梅のパワーを是非取り込んでみてくださいね。