前回の記事で甘味料の基礎を説明しましたが、今回は実践編です。
甘みをつける甘味料に色んな種類があるのは分かったけれど、そんな風に使ったらいいの?向いている料理ってある?ダイエットに使える?そんな事を思いませんか?
そこで今回から2回に分けて、具体的にどんな商品があるのか。どんな風に使えばよいのかを説明していきます。
今回解説するのは、私たちがもっとも馴染みのある砂糖類!!
スーパーの砂糖コーナーに行くと、上白糖・グラニュー糖・三温糖・きび砂糖・・・と一口に砂糖といっても色んな商品がおかれています。
これら砂糖類それぞれどんな特徴があってどんな料理にむいているのでしょうか。
順番に見ていきましょう。
これを見ればスーパーの砂糖のコーナーでどんな砂糖を買えばいいのか迷いませんよ☆
ダイエットなどに活躍する低カロリー甘味料や高甘味度甘味料は「甘味料実践編その② ~低カロリー甘味料編~」で説明します!!
甘味料についておさらい
詳しくは「甘味料基礎編~カロリーゼロの秘密。低カロリー甘味料って何?砂糖とどう違うの?~」の記事をみていただけると分かりますが、ざっくりと分類わけをするとこうなります。
主な糖質系甘味料について解説!
料理に甘さを出す甘味料の中で。糖質を原料としているものを「糖質系甘味料」と呼びます。
今回は糖質系甘味料のなかで一番馴染みのあるもの「砂糖(ショ糖)」や「オリゴ糖」「はちみつ」について解説していきたいと思います。
砂糖類
多くの砂糖は「かんしょ」か「てんさい」という植物を原料に作られています。
上白糖
一番ポピュラーな砂糖で日本独自の商品でグラニュー糖より湿り気があります。
味に全くクセがないので、どの料理にも相性がよく、素材の味を引き立ててくれる万能調味料。
ちなみに上白糖の白色は漂白しているわけではなく、無色透明の結晶が光を反射して白くみえているからです。
おすすめ料理 ・・・料理・お菓子・飲み物 なんにでも合う。万能甘味料。
特に酵素ジュースなどをつくる時には発酵を妨げる成分(ミネラルなど)が入っていないので、酵素ジュースには上白糖が向いている。
ちなみに薬膳では「体を冷やす作用がある。」とされている。南国の料理が甘めの味付けが多いのはそのせいなのかもしれない。
黒糖
サトウキビの絞り汁を煮詰めて作る黒褐色の砂糖。
不純物(ミネラルなど)が多く、食べたらすぐに分かるほどの特有の風味があります。
固形状と粉末状のタイプがあり、粉末状の方が使い勝手がよいのでおすすめ。
商品の中には、黒糖に「粗糖」や「糖蜜」などを加えて調整したものも売っているので、黒糖100%のものがよければ商品の原材料の所をみてから買いましょう。
色がついてほしくない料理には向かないので注意してください。
おすすめ料理・・・料理にコクが出るので煮物などに向いている。
(豚の角煮との相性は最高!!)
また、黒糖独自の風味を楽しむお菓子(黒糖蒸しパン・黒糖ゼリー など)も美味しい。
氷砂糖
氷のように見えるほど、結晶が砂糖類の中で一番大きく、ショ糖の純度が高い砂糖。
スッキリとしたクセのない味。結晶が大きいのでゆっくり溶ける上に、上白糖より溶け残りも少ないので液体に溶かすような料理に向いています。
おすすめ料理・・・果実酒・フルーツ酢 など。液体の中でじっくりと溶けるので果実のエキスをよく引き出してくれる。
きび砂糖・てんさい糖 など
精製されていないのでミネラルが多い砂糖。
同じようにミネラルの多い砂糖に「黒糖」がありますが、「きび砂糖」や「てんさい糖」は独自の風味が少ないので上白糖の代用にしやすいです。
とくに「てんさい糖」はあっさりした甘さで使いやすいと思います。
まろやかなコクのある甘さがあります。
料理にコクを出したり、ミネラルを甘味料から取り入れたい時に使いましょう。
色がついてほしくない料理には向かないので注意してください。
きび砂糖やてんさい糖を良い砂糖。として、白砂糖が悪者にされてしまう風潮があります。けれども取りすぎると身体に害を及ぼすのはどの砂糖も同じなので、過度な期待は禁物です。
おすすめ料理・・・料理にコクを出したい和食との相性が特によい。洋食やお菓子にもオールマイティに活躍する。コーヒーやミルクティーなどとも相性がよい。
ただし、茶色い色がつくので酢の物などをしたときに茶色い色が目立つ。(味は良い)また、ヨーグルトなど白い食品にいれたときも茶色が目立つ。
酵素ジュースは、ミネラルが発酵の邪魔をするので発酵が上手くいかない場合がある。
また、果実酒・フルーツ酢など素材の風味を独自のコクが邪魔をする場合がある。
これらの場合は、ミネラルが少なく発酵がよく進む「上白糖」や「氷砂糖」のほうがオススメ。
ミルクティーなどに入れると風味を引き立ててくれます。
はちみつ
花はちみつは、ミツバチが集めた花の蜜を熟成させたもの。花の蜜は糖度30~40%。それを熟成によって濃度が約80%程度にまでなります。ちなみに安価なものは水あめなどを混ぜて販売されているものが多いです。
安価なものが悪いわけではありませんが、純粋なはちみつを楽しみたい場合は、裏面の原材料の所をチェックして他の物が混ざっていないか確認しましょう。
パッケージの名前である程度どんなはちみつなのか分かります☆
純正はちみつ・・・天然成分100%の厳しい基準をクリアしたはちみつ(お値段もそこそこする)
加糖はちみつ・・・はちみつの他に水あめやショ糖(砂糖)を加えたはちみつ。ただし、はちみつと名乗るからには基準に適合している。(お値段は安い)
精製はちみつ・・・はちみつから臭い、色等を取り除いたもの。こちらも基準がある。
おすすめ料理・・・高級なものはそのまま食べたり、パンに塗ったりして加工せずに楽しむのが一番おいしい。
お菓子作りの甘みや風味付け、料理の艶出し、風味付けなどの用途の場合は安価なものでも問題ない。
オリゴ糖
オリゴ糖は、糖の最小単位であるブドウ糖や果糖などが2~10個程度あつまった糖のことです。
吸収されてエネルギーになるものと、消化されにくく(難消化性)腸内細菌のエサになるものとがあります。
難消化性のオリゴ糖は、ビフィズス菌などの善玉菌と呼ばれる腸内細菌の栄養源となってそれらを増やす効果があり、腸内環境を整える働きが期待できます。(それをプレバイオティクスといいます。)
オリゴ糖はスーパーで手軽に買うことができて砂糖の代わりに使えるので、腸活を手軽にはじめたい場合にピッタリの食品。
スーパーでオリゴ糖を見かけたら、ラベルをチェック!!
オリゴ糖を買う時のチェックポイント
- 難消化性か消化するものなのか・・・お腹の調子を整えたいなら「難消化性」を選ぶ(だいたいトクホマークがついています)
- 砂糖に比べてどれくらいの甘さなのか・・・砂糖と同じ甘さが計算いらずで使いやすい
- オリゴ糖がどれくらい含まれているのか、他にどんな糖類を使っているのかを確認
オススメ料理・・・上白糖の代わりとして普段のどんな料理にも使える。 ただし、長時間(2時間以上)加熱すると含まれるオリゴ糖の量が減少することがあるので、長い時間煮込む料理の場合は注意が必要。
また、酸と熱が加わると分解してしまうので、ジャム作りには向かない。
他の糖類を混ぜて甘さを砂糖に近くしているものや、オリゴ糖の入っている量が多くて、甘さ控えめのものがあるので、好みの商品を見つけると良い。
色んなオリゴ糖がありますが、代表的なものをみていきましょう。
フラクトオリゴ糖・ガラクトオリゴ糖
難消化性オリゴ糖。(人間の消化酵素で消化されにくい)
また、血糖値への影響もありません。
一度にたくさん取るとお腹がゆるくなるので、パッケージに書かれてある目安量を守って使いましょう。
甘さは砂糖の30%~60%程度。
砂糖に比べると甘さ控えめなので、使用するときは砂糖よりも多めにいれないと同じような甘さが出ません。そこに注意して使いましょう。
ラクトスクロース(乳糖果糖オリゴ糖)
難消化性オリゴ糖。(人間の消化酵素で消化されにくい)
上品な甘さがありクセがなく、とても砂糖に近い風味です。
一度にたくさん取るとお腹がゆるくなるので、パッケージに書かれてある目安量を守って使いましょう。
甘さは砂糖の30%程度。
腸内細菌によるはたらきで分解されて吸収されるため 、カロリーはゼロではなく、1g2kcal あります。(砂糖は1g 4kcal)
ラクトスクロースを使用した商品・・・「オリゴのおかげ」
「ラクトスクロース」が主成分だが、ショ糖、乳糖、ぶどう糖、果糖などの糖類を加えて
甘さが調整されている。
砂糖に近い甘さになっているので、普段のレシピの砂糖の部分を「オリゴのおかげ」に替えるだけでよい。
面倒な計算がいらないので砂糖の代用として使いやすい。(しかもカロリーは砂糖の半分)
トレハロース
きのこ類や酵母などに含まれていて広く自然界に存在する糖。(売られているものは作られたもの)
消化吸収されますが、血糖値の上昇は砂糖に比べると穏やかです。
甘さは砂糖の30~40%程度で熱や酸に強く、さまざまな加工品に利用されています。
トレハロースには
炭水化物の劣化防止・鮮度保持効果・メイラード反応を起こさない・鮮度保持効果。などの面白い特性がたくさんあります。
それを料理や、特にお菓子作りに使用すると、幅が広がります。
(例:餅などに入れると固くなりにくい・パンやお菓子の生地のしっとり感をながく保てる
茶色い焼き色がつかない・長期保存ができるようになる。 など)
家庭の趣味でお菓子作りをする程度なら、あまり必要のないものです。
けれど、身近な食品に使われている事がとても多いので、パッケージの原材料でみかけることの多い甘味料です。
まとめ
甘味料実践編その①いかがだったでしょうか。
スーパーで沢山売っているお砂糖の性質の違いが何となく分かったでしょうか。
何となくイメージで白砂糖は悪くてきび砂糖は良い。なんて思い込まずに、自分が使いたい用途によって使い分けてみてくださいね。きっとお砂糖コーナーを見るのが楽しくなりますよ☆
次回は人工甘味料に焦点をあてて甘味料実践編②を書いていきたいと思います。