前回の記事「甘味料実践編その①」では砂糖やきび砂糖といった日常でよくみかける砂糖類やはちみつ、オリゴ糖などといったものを詳しく説明ましたが、今回はあまり日常で馴染みのない甘味料「低カロリー甘味料・高甘味甘味料」について詳しくみていきましょう。
スーパーなどでダイエットや糖質制限のための商品はよく目にします。
「カロリーゼロ」や「糖質オフ」などと書かれている市販の商品には必ずと言っていいほど、「低カロリー甘味料」や「高甘味甘味料」が使用されています。
ダイエットしたいけど、人工甘味料はどれを選べばいいの?と思ったり、人工甘味料って何となく体に悪そう・・・
なんて思ったりしませんか。
今回の記事ではそれらの漠然としたイメージを取り払って、それぞれの甘味料の特徴や使い方などを解説していきたいと思います!
甘味料の分類のおさらい
甘味料にはそれぞれ糖質、を原材料にしている「糖質系甘味料」とそうではない「非糖質系甘味料」に分類されます。そして、さらに「糖質系甘味料」は天然に含まれる糖類と糖類を原料として製造される糖類に分類されます。「非糖質系甘味料」は天然甘味料と人工甘味料に分類できます。
詳しい解説は、「カロリーゼロの秘密。低カロリー甘味料ってなに?砂糖とどう違うの?」の記事をお読みください。
糖アルコール
まずは、糖質系甘味料である「糖アルコール」からみていきましょう。
糖アルコールって何?となったあなたは、こちらの記事「カロリーゼロの秘密。低カロリー甘味料って何?砂糖とどう違うの?のギモンに答えます。」を参考にしてくださいね。
それでは、よく使われる糖アルコールと、それが主成分になっている商品について解説していきます。
エリスリトール
糖アルコールのなかで唯一エネルギーがゼロの甘味料。それがエリスリトールです。
加熱にも冷却にも強いのが特徴。加工しても甘さが代わりません。
甘さは砂糖の80%程度となっています。爽やかな甘みがあって飲料に入れると清涼感がでるので冷たい飲み物に向いています。
また、甘味料独特の後味が残りにくいので、色んな甘味料と合わせてつかわれることも多い甘味料です。
エリスリトールを使用した代表的な商品・・・サラヤ 「ラカント」
ラカントはカロリーゼロの甘味料。
主成分は「エリスリトール」そして天然甘味料の羅漢果エキスが配合されている。
使用した時に砂糖と同じ甘さになるように調整されている。
そのため、砂糖の代わりに使う時も砂糖と同じ量だけ使えばいいので、
計算の手間いらずで楽。
加熱や冷却による味の変質もなく使いやすい。
独自の味と香りがあるので最初につかう時は少しの量を買って試すとよい。
ラカントには顆粒タイプとシロップタイプがあります。
冷たい飲み物や、和え物など加熱しない料理にはシロップがオススメ。逆に顆粒タイプは加熱する料理やお菓子などに向いています。
エリスリトールを使用した代表的な商品・・・浅田飴 「シュガーカット ゼロ」
「シュガーカットゼロ」はカロリーゼロの甘味料。「エリスリトール」と合成甘味料の「スクラロース」の二つの甘味料を合わせて甘さを調整した商品。
アイスコーヒーなどの冷たいものにはもちろん、煮物などの料理にも使える。
砂糖の代わりに使用する時には、1/3の使用量でOKなので注意。
(例:シュガーカットゼロ小さじ1は、砂糖小さじ3と同じ甘さ。)
マルチトール(還元麦芽糖)
でんぷんを主原料にした糖アルコールなのマルチトール。
甘さは砂糖の70~80%で砂糖に近いまろやかな甘さが特徴です。
カロリーは砂糖の半分。
加熱や酸に対し安定していて、微生物やカビの栄養源とならないので発酵されにくく長持ちします。
(注意:漬物や酵素ジュースなどの発酵食品を作るのにはむきません。)
マルチトールを使用した代表的な商品・・・浅田飴「シュガーカットS」
パッケージを見たことのある方も多いロングセラー商品。
シュガーカットSはカロリーが砂糖の1/5。
砂糖の代わりに使用する時には、1/4の使用量でOKなので注意。
(例:シュガーカットS小さじ1は、砂糖小さじ4と同じ甘さ。)
水溶性食物繊維が配合されているのでお腹に優しい。
同じ浅田飴が出しているでカロリーゼロの「シュガーカットゼロ」という商品もある。
キシリトール
樫・樺の樹液からとれる原料から合成されるキシリトール。
みなさんも一度は名前を耳にした事があるのではないでしょうか。
砂糖に近い甘さがあり、砂糖よりやや低カロリーといったところです。
(キシリトール=1g3kcal)(砂糖=1g 4kcal)
「虫歯予防に効果を発揮する。」というのは有名ですが、実はその効果をえるにはガムなどの場合、キシリトールの含有比率が90%必要だということです。
市販品で虫歯予防の効果を期待してガムを買うのであれば50%が最低ラインだともいいます。
↓↓キシリトール含有率が100%の商品
ちなみに、キシリトールは口に含むと清涼感があります。ミント味ととても相性がよいらしいです。
非糖質系 天然甘味料
「非糖質系」の甘味料の中でも天然の植物から抽出される甘味料のことです。
ステビアや羅漢果(ラカンカ)などが有名でしょうか。
ステビア
南米原産のステビアの葉から抽出される天然甘味料です。
砂糖の200~400倍の甘みがあります。
甘みを出すための摂取量がごく少量となるのでエネルギー源になりません。(高甘味度甘味料)
一時、ステビアが南米の原住民の避妊薬として使用されていた。という話が出たことがありましたが、研究の結果、現在ではその説は否定されています。
ステビアを使用した商品 ・・・日本リコス「ステビアヘルス」
ステビアとエリスリトール、水溶性食物繊維のイヌリンを配合した甘味料。
カロリーは砂糖の半分。
どちらかといえば、三温糖のようなコクのある甘み。ステビアの独特の後からくる苦みのようなものも軽減されている。茶色なので色を活かしたい料理よりは煮物などにむく。「ラカント」では作れなかったプリンのカラメルソースなども作れるらしい。
ステビアが使用されている有名な商品ではポカリスエットなどの清涼飲料水や炭酸飲料。
また、九州地方で好まれる甘い醤油にも使用されている。
羅漢果ラカンカ(モログシドV)
桂林にのみ自生するウリ科の植物で、古くから漢方として珍重されていました。
強い甘み(砂糖の300倍)の他にビタミン・ミネラルが豊富 。とっても貴重な植物なのでこれを主成分にした商品は販売されていません。
羅漢果を使用した代表的な商品・・・サラヤ 「ラカント」
ラカントはカロリーゼロの甘味料。
主成分は「エリスリトール」そして天然甘味料の羅漢果エキスが配合されている。
使用した時に砂糖と同じ甘さになるように調整されている。
そのため、砂糖の代わりに使う時も砂糖と同じ量だけ使えばいいので、
計算の手間いらずで楽。
加熱や冷却による味の変質もなく使いやすい。
独自の味と香りがあるので最初につかう時は少しの量を買って試すとよい。
ラカントには顆粒タイプとシロップタイプがある。
冷たい飲み物や、和え物など加熱しない料理にはシロップがオススメ。逆に顆粒タイプは加熱する料理やお菓子などに向いている。
非糖質系 人工甘味料
人工甘味料と聞いて何となく危険と言うイメージをもつ人もいるのではないでしょうか。
けれども、人工甘味料は目安の量を守って適量とれば危険性はありません。
砂糖などにくらべて少しクセのある味のあるものもありますが、甘いものを無理に我慢してイライラするより、上手く低カロリー・または高甘味度甘味料を取り入れて快適にダイエット生活を送ってみませんか?
アスパルテーム
アスパルテームはアミノ酸が主原料の合成甘味料です。
砂糖の150~200倍というとても強い甘さがあります。
食品に使用する場合は、「Lフェニルアラニン化合物である」旨の表示義務があるので、原材料の部分にはそのように記載されています。
砂糖によく似た甘さの味を持っていますがアスパルテームには少し独自の苦みのような後味があります。
その後から来る独自の味を苦手とする方も多いようです。
アスパルテームを使用した代表的な商品・・・味の物 「パルスイート」
アスパルテームやエリスリトール、その他の甘味料を配合した甘味料。
カロリーが砂糖の1/10
砂糖のかわりに使う時には、1/3の使用量でOKなので使用量に注意する。
(例:パルスイート小さじ1は、砂糖小さじ3と同じ甘さ)
砂糖のような防腐性がないのでらっきょなどの長期間保存する料理には向かない。また、砂糖の保水性も持たないので、ジャムなどを作ると艶が出にくい。
パルスイートにも顆粒タイプとシロップタイプがある。
こちらも同様に冷たい飲み物や、和え物など加熱しない料理にはシロップがオススメ。
逆に顆粒タイプは加熱する料理やお菓子などに向いている。
スクラロース
カロリーゼロ・糖類ゼロの高甘味度甘味料です。
砂糖の約600倍という強い甘さがあり、砂糖に近い自然な甘さが特徴です。
(アスパルテームより砂糖に近い甘みともいわれます。)
加熱に強くて調理に使いやすい甘味料です。
また、水に溶けやすいのでコーラなどの清涼飲料水やアイスクリームによく使われています。
アセスルファムK
アセスルファムカリウムのこと。食品表示では「アセスルファムK」と表示されることが多いのでこちらの名称のほうが一般的です。
砂糖の200倍の甘さがあって、熱や酸にも強くて水によく溶けます。
砂糖などに比べると、口に含んだ時に感じる甘さが少し遅くて、後味が長く引く特徴のある甘さです。
独自の苦みがあるので、苦みを消すために色んな甘味料と混ぜて使われることが多い甘味料です。
人工甘味料の独自の苦みのような後味を強く感じるばあい、アセスルファムKが使われていることが多いです。もし、商品の後味が苦くて気になる方は「アセスルファムK」の入っていない商品を選ぶと良いでしょう。
まとめ
さまざまな「低カロリー甘味料」「高甘味甘味料」を紹介してきましたがいかがだったでしょうか。
それぞれの分類により特徴があるのがわかっていただけたでしょうか。
ただ、人工甘味料を使う際には注意点もあります。
それは、必ず一日の目安量を守ること!!
アメリカのイリノイ大学の研究では「血糖値が気になる場合でも人口甘味料の摂取は安全だと言える。しかし、人工甘味料入りの飲料や食品を好きなだけ食べてもよいという意味ではない。」と発表しています。
いつも甘いものをとるのではなく、お菓子を食べる時は飲み物は水やお茶にする。などの工夫も必要ということですね☆