ここ数年ブームになっている「こうじ」
テレビや雑誌などでもたびたび取り上げられていますよね。
そんな「こうじ」を利用した調味料の中でも「塩麴」はよく紹介されています。
でも、「塩麴」ついでに「しょうゆ麹」って結局一体どんなものなの?
そもそもどんな効果があるの?
試したいけど、どんな風につかえばいいのかわからない。
なんて思って使うのを諦めていることはありませんか?
実は「塩麴」そして「しょうゆ麹」は使い方のコツさえわかれば日常で簡単につかえるお手軽調味料です。
そして、「麹」のもつ発酵パワーによって健康や美容効果も期待できるんです。
さらにさらに、料理に取り入れれば食品の風味が増すので、なんだか料理の腕が上がったように感じられるかも!
今回は、そんな今すぐ料理に取り入れるべき調味料、「塩麴」「しょうゆ麹」を使うメリットや、料理に取り入れるコツなどをご紹介していきます。
「塩麴・しょうゆ麹」ってどんなもの?
塩麴とは、塩に「麹」を混ぜて発酵させたもの。
そしてしょうゆ麹はしょうゆに「麹」を加えて発酵させたものです。
その中でも塩・水・米麹というシンプルな材料でつくれる「塩麴」は古くから野菜や魚などのつけ床として日本各地でつかわれてきました。
麹の良さが見直されている現代では素材の持ち味を生かす調味料として認知されはじめています。
塩やしょうゆと混ぜる「麹」って一体なに?
そもそも、塩やしょうゆに混ぜる「麹」とはいったい何者なんでしょう?
麴(=糀)とは、日本の発酵文化を代表する菌である「こうじ菌(ニホンコウジカビ)」という菌を蒸した穀物や豆に繁殖させたものをいいす。
こうじ菌については、「麹菌とは一体何なの?「麹菌」と和食の深い関係」をお読みください。
菌を生やす食材によって「米麹」「麦麹」「豆こうじ」と呼ばれ方は代わりますが、菌のもつパワーは同じ。
麹菌は食品に「発酵」といういい変化をもたらしてくれる人間にとってとても有益な菌です。
塩麴・しょうゆ麹がもつ発酵パワー 5つご紹介!
そんな「米麹」の発酵パワーを使用して日常使いの調味料にした「塩麴」や「しょうゆ麹」。
その中に含まれる「こうじ菌」は増殖するときにさまざまな酵素を生みだします。
その酵素は、食品の成分を分解する働きをもっているのです。
例えばでんぷんを甘みに変えたり、たんぱく質をうま味にかえたり、脂肪を分解してさっぱりとした風味に変えたり・・・と食品の中で大活躍。
その結果、食品にさまざまな恩恵をもたらしてくれるというわけです。
そこで米麹を使った「塩麴」や「しょうゆ麹」がもたらしてくれる代表的な効能を5つ説明していきます!!
1)風味やコクがアップ
塩やしょうゆに米麹のうま味が加わることにより、調味料自体がまろやかで風味豊かになります。
塩麴は、塩と比べると、塩味がまろやかになって、ほんのりと甘みがプラスされます。
しょうゆ麹はしょうゆの香りと風味はそのままにうま味と甘みがアップ。
塩麴・しょうゆ麹どちらもうまみが強く出ているので、だしやスープの素などを入れなくても料理が美味しく仕上がります。
2)肉や魚をやわらかくしてくれる
実は、塩麴・しょうゆ麹は「付け込む」料理に非常に向いています。
秘密は、こうじ菌が出す酵素!
酵素がたんぱく質を分解してくれるので、塩麴・しょうゆ麹に漬けておいておくと、硬い肉が柔らかくなったり、魚の身がしっとりとします。
また、でんぷんを分解して甘くしてくれる酵素も含んでいるので野菜を漬けると甘さが引き立ちます。
3)調味料の量を減らせる
1)の風味やコクがアップに通じますが、調味料にうま味があることで少量でもおいしく感じることができます。市販の顆粒だしなどは、実は塩分がたくさん含まれています。
塩麴・しょうゆ麹を料理に使用すれば顆粒だしなどを使用しなくてもよいため、塩分の量も減らすことができます。
4)腸内環境を整えてくれる
麹菌は活動するときに30種類以上の消化酵素を生みだします。
その酵素が身体の中で消化を助けて、胃腸の負担を減らしてくれる作用があります。
さらに、酵素によって善玉菌の大好物のエサであるオリゴ糖も生成されているので、日常的に食べ続けると腸内環境の改善に一役かってくれます。
5)健康・美容効果が期待できる
米麹にはビタミンB群やコウジ酸などの栄養成分も含まれることが分かっています。
ビタミンB群は不足すると肌荒れや、髪のトラブルを引き起こすため美肌ビタミンとも呼ばれるビタミンです。
ビタミンの他にも美肌成分の1つであるコウジ酸。
また、抗酸化成分も含まれておりアンチエイジング効果も期待することができます。
日常的に食事に取り入れると糀美人を目指せるかもしれません。
ビタミンB群とは?
ビタミンB群が美肌効果をもたらす。と聞けば気になる方も多いはず。
そこで少しだけビタミンB群について説明していきたいと思います。
ビタミンB群は、「ビタミンB1・B2・ナイアシン・B6・B12・葉酸・パントテン酸・ビオチン」の8種類とされています。みなさんの想像よりも多いのではないでしょうか。
ビタミンB群の働きは多くて詳しくかくとキリがないほど、体内でさまざまな働きをしています。
主な働きは補酵素になる。ということ。
「ん?補酵素・・・?難しそうなんでパス。」なんて思わずに。
すぐに話を切り上げますので少しおつきあいください(笑)
簡単に言えば補酵素とは、「〇〇の◆◆を助ける」といったサポート系のお仕事をする酵素です。
会社にたとえると、パッと見は目立たないけど、実はその子がいないと上手く仕事が回らない!!あいつ、陰でがんばってたんだな。的な感じです(笑)
例をあげれば、ビタミンB1には「エネルギーの代謝を助ける」作用があります。
なので、ビタミンB1が不足すると糖質を上手くエネルギーに変えることができずに疲労物質である乳酸がたまったり体脂肪がつきやすくなったりしてしまう。というわけです。
その他にも、ビタミンB群はたんぱく質の合成にも関わったり、アルコールの分解をサポートしたり、脂質の代謝をサポートしたりと大忙し。
たんぱく質の合成に欠かせないという事は、細胞や皮膚の再生に欠かせないという事。
ビタミンB群をしっかりととることで、肌荒れや口内炎などの肌トラブル全般の予防になるというわけです。美肌ビタミンと呼ばれる理由はそこにあるんですね。
また、ダイエット中でもビタミンBが不足しないようにすることで体内の脂肪の燃焼がスムーズになると言われています。
まさに、女性の味方ビタミンB群。
そんなビタミンB群を多く含む「塩麴」「しょうゆ麹」積極的に取り入れていきましょう。
3つの考え方で使う 簡単な使い方
塩味とうま味をあわせもって、素材の持ち味をいかしてくれる「塩麴」「しょうゆ麹」。
美容にも腸の健康にもよいので、どんどん日常で使っていってもらいたいのですが、
「どうやって使えばいいのか分からない。」といった声を聞くことがあります。
そこで、塩麴・しょうゆ麹を簡単に取り入れられる考え方を3つご紹介していきます。
麹のうまみを持った塩・しょうゆと考える
塩麴・しょうゆ麹を特別な調味料と思わずに、塩・しょうゆと同じように使ってみませんか?
料理の材料の「塩、しょうゆ」の部分を「塩麴・しょうゆ麹」に置き換えるというやり方なら気負わずに普段の料理に取り入れられます。
料理に取り入れるときの目安の量は
たとえば、レシピが 塩小さじ半量であれば、塩麴を小さじ1にします。
後は、味を見ながら足りなければ足す!
なんていうラフな感じの考え方でOKです
漬け込んで使う
発酵パワーのところでもお伝えしましたが、塩麴・しょうゆ麹にはたんぱく質などを分解してくれる消化酵素が含まれています。
その性質を利用して「漬け込む」料理に使ってみましょう。
料理の下味に肉や魚に塩を振ったり、しょうゆタレに漬けこんだりすることがありますよね?
その時に代わりに塩麴やしょうゆ麹を使います。
肉や魚に混ぜ込んですこし馴染ませたあと、
常温なら30分程度。
冷蔵庫であれば1時間ほど漬ければ、硬い肉が柔らかくなったり、魚の身がしっとりしたりします。
また野菜などを漬け込むのもおススメです。
肉や魚をグリルなどで焼く場合は、麹の粒が焦げやすいので、ペーパータオルなどでふき取ってから焼くと焦げにくくなります。
野菜の塩麴漬けはビギナーに特にオススメ!
野菜の塩麴漬け 作り方
① きゅうり・ミニトマト・タマネギなどお好みの野菜を適当な大きさにカット。
② 野菜をジップロックなどの袋に入れる。
③ 野菜の重さをはかって、重さの10%の塩麴を入れて揉み混ぜる。
④ 常温で30分程度おけば、野菜と塩麴がなじんで美味しくいただける。
(冷蔵庫では2日ほど保存可能)
仕上げに使う
漬け込みのところで説明したように、こうじに含まれる酵素は60℃以上になると失われます。
しかし、せっかくなら生きたままのこうじ菌を食べてみたい。
なんて思ったら、仕上げに使ってみるのはどうでしょうか。
塩麴やしょうゆ麹の全体の使用量のうち、半分を最初にいれて使い、残りの半分を火を通した後に入れる。
といった使い方です。
炒め物なら、この方法が使えますし、ハンバーグならソースの方に入れてもいいですね。
特にしょうゆ麹は、そのまま使うといった使用法がとても得意。そのままソースにしたり、野菜をディップしたり。また、卵かけごはんなんかをしょうゆ麹で食べるのもオススメの食べ方です。
まとめ
塩麴・しょうゆ麹のお話、いかがだったでしょうか。
この2つの調味料は、とてもシンプルな材料でできているので麹の力を一番身近に感じてもらえる調味料です。
また、市販品も良いですが、手作りの方が麹パワーを効率的に取り入れることができるのでオススメですよ。
今回ご紹介した使い方を参考にしながら、みなさんも塩麴・しょうゆ麹をどんどん日常使いに取り入れていってくださいね。